
アーティスト平良真一様のCDジャケットを作成しました。今回は2ページジュエルケースプレスのCDジャケットデザインをしました。
今回は具体的な要望ではなく大まかなコンセプトを聞いてこちらから提案させていただく形で作成を進めました。「Never say never , DIE」というタイトルの通り「諦めない」「絶対平伏さない」という強い気持ちの表れ、信念がコンセプトの曲でした。そのため、闘志がみなぎってくるような男性的なイメージで作成してほしいとの要望をいただきました。またアーティスト本人の写真を使用するのではなく抽象的なイメージのデザインを希望とのことでした。
闘志みなぎる男性的なイメージということで黒をベースにした騎士をイメージしたデザインという要望もいただきました。例えば盾や剣などを使用してほしいなどです。
今回黒を基調とした男性らしい騎士のイメージということで、馬に乗った騎士をメインに作成していこうというイメージを初めから考えていました。1人の勇敢な騎士が敵陣に切り込んでいく様子をイメージしていて、それをなるべく躍動感が出て男らしくカッコよくデザインできるように心掛けました。
デザインのポイントはリアルな質感を表現するために写真を合成して作成していく方法を選んだ点です。まず背景には戦争の舞台になりそうな荒野の写真をストックの中からピックアップしています。雲の形にもこだわりたかったので空の部分はより雰囲気のある雲の写真を合成しています。地面はそのままだと躍動感が足りなかったので少し斜めにして動きを出しました。
馬に乗った騎士は石像の写真を切り抜いて部分的にイラストを加えたり槍を持たせたり加工を施しながら作り上げていきました。火のついた槍を飛ばすことで戦いの激しさも出しています。
さらに躍動感や激しさを表現するためにカラスや、岩、砂埃を舞わせています。手前のカラスや岩をぼかして合成することで遠近感が出てより一層雰囲気を引き立たせることができました。
バックインレイ外側は盾を全面に押し出したデザインにしました。暗い影の中から盾が青く光を放っている様子を表現しています。光の部分はグランジテイストにしたり電気を走らせることで力強さを出しています。
バックインレイ内側は戦後の荒野の様子で静けさを表現しました。
盤面にもバックインレイ同様盾のデザインを使用しています。円形の盾のデザインが盤面と相性が良かったので採用しました。
帯は表紙のデザインが引き立つように黒であまり目立たないように作成しています。CDのキャッチコピーに「蒼い生命」というキーワードがありましたので青を基調に作成しました。
今回は写真を合成して作成していくことでリアルな質感とイラストでは出しづらい躍動感、激しさをうまく表現することができました。ポイントとしては遠近法をうまく使ってカラスや岩を舞わせた点で、この手法を使うことでカッコよさが一気に増しました。