ちゃんと意識してる??ギター・ベースのための「チューニングのずれの原因」

2017.6.12

チューニング ギター

チューニングのずれはアンサンブルにとっての死活問題

ギタリストやベーシストにとって、演奏技術以上に大事なのが「チューニング」だと思います。弦を張った楽器で、なおかつ複数人で合わせるバンドサウンドにおいて、チューニングのずれはアンサンブルにとっての死活問題となります。

 

「そんな細かいことを気にしない」といったスタイルで格好良い音楽をされている方も多数いますが、ここでは基本に戻って、チューニングの精度についてお話します。

なぜチューニングはずれるか?

ギターやベース、また弦楽器全般に言えることですが、どんなにチューニングをしても、弾いているうちにずれていくのは誰しもが経験していると思います。そもそもなぜ「チューニングがずれる」のかというとそこには数多くのずれる原因があります。

 

「弦が伸びる」

張りたてに多いですが、弦を張っているテンションに弦自体の剛性が追い付かず、伸びることでチューニングが下がる。もしくはピッキングなどの弦を弾く行為が弦を伸ばす要因になる事があります。

 

「弦が死ぬ」

弦が製品として物理的な限界を迎えた時も、チューニングは安定しない傾向にあります。

 

「ペグが回る」

物理的にどこかにぶつけてしまい、ペグが回ってしまう事で、チューニングした状態を保てずにずれてしまう事があります。

 

上の3つは良くある話だと思いますのでたいした事ではありませんよね?上手く付き合っていくように努力しましょう。次からが本題です。

調整や修理が必要な場合

目に見えない不調や劣化によって、チューニングのずれが生じる場合があります。自身の楽器が大丈夫かどうか、照らし合わせてみて下さい。

 

「ナット溝の幅が、弦と合っていない」

弦のゲージを上げたり、ナット自体の交換をした時によくなりますが、普段何気なく振れているナットの溝には、チューニングをずらす可能性が非常に高いパーツの一つです。

 

多くの弦楽器は、ナットを支点に「ヘッド側」と「指板側」のテンションを保った状態でチューニングがされています。ナットを境に綱引きをしている状態です。ナットの溝の幅が、弦の太さより狭い場合、弦がナットの溝に引っかかってしまい、「ヘッド側」と「指板側」の弦にテンションの差が生まれ、音程が狂ってしまいます。

 

弦に対して「適正なナット溝の幅」を用意してあげることが重要です。(広すぎると今度はナット由来の“ビビり”につながります。楽器店やリペアマンなどに調整してもらう必要が出てきますので、不調を感じた際は見てみてもらいましょう。

 

「ペグの劣化によるチューニングのずれ」

ペグ自体が経年劣化によって性能を落として、チューニングのずれにつながっている場合があります。お手持ちの楽器のペグの、以下の点をチェックしてもらいたいと思います。

・ペグを止めている「ビス(ネジ)」または「ナット」に緩みがないか?

・ペグ自体の「シャフト(弦を巻き付けている棒の部分)」は真っすぐか?

 

これらは注意しないと意外と見落としてしまいがちです。特に「ビスやナット」の緩みは、パッと見ただけでは判別しづらい為、触ってみたら意外と緩んでいたりします。弦を張り替えるときなど日常においても意識しておきたい所です。

 

また、ぶつけてしまったりした際に「シャフト」そのものが曲がってしまう、という事もよく見かけます。こちらもチューニングの精度に関わってきますので、もし見つけたらペグ自体の交換が必要となります。

 

「ブリッジの劣化によるチューニングのずれ」

こちらも意識して見ないと発見しづらい箇所です。ブシッジ、特に駒(サドル)は、弦が直接乗っています。お手持ちの楽器を見てもらうと「いつの間にか駒自体が削れている」「弦が駒に食い込んでいる」といった症状を見つける方が一定数いるはずです。

 

この駒の削れは、同じチューニングの中でも「オクターブチューニング」をずらしていく事が多いです。いつも楽器を触っていると、徐々に劣化していく症状などはとても見つけづらいため、意識して観察・調整することが必要となります。

 

ハイフレット(上の方の)音程に違和感があると思ったら、サドルの劣化の可能性があるため、チェックしてみて下さい。

周辺の環境によるチューニングのずれ

いくら楽器が完璧な状態でも、周辺の環境によってチューニングがずれてしまう事が時折あります。

 

まずは「気温・湿度によるずれ」です。多くの楽器は木材を使って作られていると思いますが、この「木材」は、常日頃から「気温・湿度」の影響を受けて「収縮・膨張」を繰り返しています。

 

例を挙げるとすれば、以下のシチュエーションを想像してみて下さい。

 

「冬の寒空の下、完璧なチューニングをした楽器を持って、ライブハウスのステージに上がる。」

 

「暖かい室内」だけではなく、ステージ上は機材の熱などがしっかりこもっています。外気温や湿度の急激な変化に、結露し続けるばかりではなく、間違いなくチューニングが狂います。

 

管楽器をやったことのある方なら分かるかと思いますが、楽器が温まるだけでピッチはどんどん変わってきます。これは「心がけ」といったところに繋がりますが、なるべく「演奏する(本番など)環境に近い状態でのチューニング」をする、といった心がけをする事で、チューニングの精度は向上します。

 

演奏するにあたって、なるべく周辺の環境を変えないといった工夫も、チューニングを突き詰めると必要となってきますので、参考にしてみて下さい。

さいごに

チューニングは、楽器を弾く上で一番初歩的な事ではありますが、注意していないと意外と忘れたり見落としたり、が多くなるところです。

 

普段から意識してチューニングをすることで、その精度は格段に向上しますので、これを機に自分の楽器をチェックしてみるのも良いのではないでしょうか?

 





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プロフィール

よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚