Studio One Primeの使い勝手はどうなのか、実際に曲を作って検証(後編)

2017.9.20

Studio One Prime DAW

前回の前編記事はこちら

Studio One Primeの使い勝手はどうなのか、実際に曲を作って検証(前編)

 

前回も載せたデモ曲を再掲しておきます。

これは検証するためのサンプルなので、0秒からエレクトロニカ、36秒からジャズ、1分9秒からロック、1分37秒からオーケストラとジャンルをバラけさせています。それぞれのジャンルでの音源、エフェクトの使用方を解説していきます。

エレクトロニカに有利なPresence付属のエフェクト類

Presenceはこれといってジャンル特化していない音源ですが、エフェクトやパラメータは使いやすいものが多いです。カットオフフィルターでの音色変化はもはやどのマルチ音源でもできて当たり前な機能となっていますが、音源側でリバーブ、ディレイ、ゲートをまとめて使って余韻をコントロールできるのは、電子系の音楽制作時に結構な強みとなりますアナログシンセサイザーのような発音のモノフォニー(単音)化もできるので、ぐにゃぐにゃしたリードやベースを作りたい人も使い込むことができます。

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工夫する手段は比較的多めに用意されていますが、プリセットは古い印象の音色が多いのが弱点といえば弱点です。デモ曲でも使っている定番のリバースシンバルは、普通の総合系音源の場合ドラムキットの中に紛れ込んでいたりしますが、PresenceではPercussionの中に単独で入っています。

基礎は抑えているジャズ系

サックスはソプラノ、アルト、テナー、バリトンの基本4種が揃っており、探すのが多少面倒ですが、スネアブラシなどの使えるパーカッションもドラムキットの中に結構あるので、デモ曲くらいのものなら手早く作れます。ただ、ホンキートンクピアノがないので自分で調整して疑似的に作る必要があったり、ルーム系のコンボリュージョンリバーブやテープシミュレーターがないことを考えると、やはり無料の範囲内であることは否めません。音色の品質自体は悪くないので、リバーブのサイズ調整やパン調整、アンプのキャビネットだけをかけて暖かみを加えるなどの工夫をしていくと、いくらか改善されると思います。

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ミュートトランペットやヴィブラフォンももちろんあるので、テンポを上げてもっと軽妙洒脱な表現もできるはずです。

アンプとEQの操作性で好みが分かれそうなロック

攻撃的なエレキギターの音色はロックの目立った特徴ですが、その音色を作るアンプシミュレーターは様々であり、同じようなセッティングでも物によって音色が全然違います。また、音色の調整にEQ、イコライザーが使われることも多く、単独エフェクトのチャンネルストリップを使ってもそこまで繊細な調整ができるわけではありません。歪みに使えるエフェクトが実質2種類、大味なEQという状況から、これらで作れる音色が自身の感性に響くかどうかで、ロックな曲が組めるかが大きく左右されると思います。

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幸い、ロック向けのベースやドラムはキャラクターがはっきりしていて使いどころがわからないようなものはほぼないので、こちらは作りたい曲のイメージに合致すれば使いやすいでしょう。

調整必須だがレパートリーは揃っているオーケストラ

他のジャンルと比べると制作費用が高くなりやすく、廉価な音源では犠牲になりやすいのがオーケストラで、Presenceも中程度の品質に収まっている印象です。奏法は無料の中では揃っているほうで、一通り練習する分には困らないでしょう。ホール系のコンボリュージョンリバーブが使えないのはこのジャンルでは正直痛手で、プリセットもリバーブはオフなので、最初に歪み交じりの強音を聴いてしまうと「荒すぎて使えそうにない」という印象を抱く人は多いと思います。しかし、アタックやリリースを調整し、音源のリバーブを使い、更に単独のリバーブエフェクトを重ね掛けして調整すると、デモ曲のようにある程度滑らかな音にできます。(デモ曲のオーケストラ部では全てのトラックにリリースとリバーブ調整を施しています)

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音色の種類自体はいろいろ取り扱うことができますが、音源の調整は大雑把なほうなので、それらをいかに繊細に合わせるかが鍵となります。実際のところ、オーケストラはコーラス含め扱う楽器の数が多く、実際に鳴らして合わせてみないと音源の個性が見えてこない部分もたくさんありますが、この音源の場合は調整前提で取り組むと良い結果が得られると思います。

プロジェクトデータは軽量

デモ曲は1つのプロジェクトデータで制作し、結果的にインストゥルメントトラックは計28個、挟んだインサートエフェクトは計23個になりました。サンプルレート44.1kHz、ビット深度32というオーディオ設定でやや控えめな制作状況ではあるものの、これだけ立ち上げても元々音源やエフェクトが軽いので、メモリ消費は2GB以内に収まっています。

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事前に余分なアプリをできるだけ停止させておくと、4GBメモリのロークラスなPCでもこなせるプロジェクトなわけで、Studio One Prime、Presenceや基礎エフェクト類の軽さがよくわかります。別の有料音源などを導入する場合は、この限りではなくなってくるので注意しましょう。

割り切ったコンセプトと一式、軽い動作で入門しやすいDAW

外部プラグインを使えない欠点があるものの、曲を仕上げるまでの機能はほとんど制限を感じさせず、PCの負荷も軽いのでDTMがどんなものか試すのに非常に適したDAWです。音源やエフェクトはシンプルな構成なので操作に迷うことはないでしょうが、調整の落差が激しくじゃじゃ馬のような一面があるので、しっかり覚えて弄っていく姿勢が必要でしょう。プリセット音、エフェクトの数はそこまで多くないので、長く使うと物足りない局面があるかもしれません。しかし、使う音源やエフェクトに集中できる、純粋な音楽制作作業以外への意識が飛ぶことが少ないという作りは、やれることが多すぎて集中が散漫になりがちな昨今のDTMシーンの中で、目標を絞ってトレーニングしやすい環境といえます。

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無料ながらになかなか弄りがいのある音源とエフェクトで、PCのスペックに不安がある方でも導入しやすいので、とりあえずインストールして使える状態にしておいて損のないDAWでしょう。

 

今日は以上です。


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よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚