音の響き方は場所によって違う!音響特性と向き合った音づくりの方法

2017.4.27

音作り 共有 バンド

バンドサウンドにおいて意識するべきこと

バンドサウンドにおいて「意識するべきこと」は数えればきりがない程あるかとは思いますが、その一つとして「その場の音響特性を意識する」といったことが挙げられます。

 

バンドをやっていると色々な場所で演奏する機会があるかと思います。ライブハウスもそうですが、リハをやっているスタジオや、野外での演奏、バーやレストランなんかで演奏するかもしれません。

 

その場によって、音の響き方はかなり違うものになるはずです。音の響き方とバンドでの音作りについて考えてみたいと思います。

ボリューム設定について

普段はリハスタでの音出しが多いと、アンプを使う演奏者は感覚に頼った音量設定をしてしまうことが多いかと思いますが、音作りの基本を少しおさらいしてみましょう。

 

バンド楽器において、一番生音の音量が大きいのはドラムです。一般的なセットで、ドラマーが普通に叩いただけで100~120db(デシベル)の音量が出ます。これは自動車のクラクションに匹敵する音量だそうです。結構大きな音が出ています。

 

アンプを使うベース・ギターはまずはドラムの音量に合わせてボリュームの調整をしましょう、というのが基本かと思いますのでそれを前提に進めさせて頂きます。

場所によっての音響特性

音の響き方は場所によって異なります。「ローがはっきりしない」や「ミッドがハウリングしやすい」などと、その場特有の音の響き方を持っています。イメージしやすいのが、自分の部屋で手をたたくのと、誰もいないホールで手をたたくのでは響き方が確実に違いますよね。

 

ライブハウスのような、音響の専門家がいる環境では、すべての音響機材は「チューニング」された状態で設置されています。その場所、機材の環境や特性に基づいてイコライザーを使って「出やすい周波数帯域」をカット「出にくい周波数帯域」をブーストしたりする「イコライジング」が行われています。

 

チューニングされてないといえば、身近な所では「リハーサルスタジオ」のイコライザーは、何もいじられていない状態の場合が数多く見受けられます。「フラット」な状態です。マイクを持ってスピーカーを鳴らしてみれば、同じスタジオでも部屋が変わるだけで音質が違いますので試してみて下さい。

 

いつもと違うスタジオに入ると「今日のスタジオ聞き取り易かった」や「音イマイチだったな」などと感じるのは「空間のチューニング」が出来ていたりいなかったり、といった事のせいかもしれません。

音響特性と向き合った音づくり

場所によって響く帯域が違う、という事を紹介させて頂きましたが、バンドマンはその場所によって、場合によってはセッティングを変える必要があるかも知れません。

 

「音が飽和する」といった現象があります。同じ帯域でたくさんの音が鳴ってしまい、どの音もぱっとしない音になってしまう、「埋もれてしまう」と言えば耳に馴染みがあるかも知れません。

「埋もれてしまう」には考えられる原因

「埋もれてしまう」には考えられる原因がいくつかあります。まずは楽器自体の音作りが上手くいってない、次にちゃんと「音の帯域」を意識したアンサンブルが出来ていない、最後にその演奏する空間がこもりやすい、といった事が考えられます。

 

一つ目の楽器自体の音作り・二つ目のアンサンブルに関しては、誰しもが経験することかと思います。自分の楽器が単体だと最高な音がするのに、バンドになるとなぜかぱっとしない音になるとか、急に聞こえなくなったりする経験があると思います。

 

その場所によって同じ音の帯域は上限が決まっている、と言えばイメージしやすいかと思います。それはバンドサウンドにおける醍醐味でもあるかと思いますが、楽器ごとに音を分離させたい場合は「どこかのパートが一歩引く」「そもそも違う音を弾く」などと工夫すると、より綺麗に聞こえる場合があります。

 

楽器自体の音作り、およびアンサンブルにおいても、音を周波数単位で見て、競合を避けるというのも一つのテクニックとして使えますので覚えておいて損はありません。

 

そしてそれらの考え方は「場所自体が特定の音域がこもりやすい場合」につながります。例えばローがこもりやすい場所で演奏する際、アンプの時点でロー帯域をいつもより控えめに出すように心がけると「単体ではあまり良い音はしないがバンドではまとまる」などといった事が起こります。音響がいない場合などはぜひ試してみて下さい。

まとめ

当たり前ですが、バンドサウンドでは「いくつかの楽器が同時に演奏する」「その結果良い音楽になる」といった事を一番に考えるべきだと思います。音に関してはいろいろな考え方がありますが、全体を綺麗に鳴らすのには「周波数の住み分け」といった事も考えていかないといけないかも知れません。

 

楽器自体が競合していないか、ボーカルのメロディーラインを潰していないか、などと考えることは多々ありますが、一番大事なのは「メンバー全員の音のイメージが一致している」という事かと思います。

 

たかがリハと思わずに、普段からコミュニケーションをとって、イメージを共有できるように心がけることが「良い演奏、良いステージ」につながるかも知れません。





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プロフィール

よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚