2016.10.9
バンドマンなら一度は考えたことはありますよね。「俺はメジャーに魂売ったりしないぜ」とかいきがってみたり「やっぱりメジャーデビューしてブレイクして豪遊してみたいな」なんてバンドメンバーと夢語ってみたり。
個人的に2010年くらいまではメジャーバンド=勝ち組ってイメージがあったけど2016年現在の事情は少し変わってきているみたいですね。
簡単に説明してみたいと思います。
まず基本的な説明からしたいと思いますがメジャーバンドとインディーズバンドの違いは日本レコード協会に入会しているレコード会社に所属しているかどうかです。
日本レコード協会に入会しているレコード会社に所属していればメジャーバンド。逆にインディーズバンドとはこのようなレコード会社に所属していないバンドとなります。
メジャーとインディーズの違いはこれだけです。メジャーだからプロでインディーズだからアマチュアという考えは間違っています。どちらも音楽で稼いでいるので立派なプロのミュージシャンと言えます。
メジャーレーベルで有名なのは以下の4大レーベルです。
●エイベックスグループ
●ユニバーサルミュージック
●ソニーミュージックエンターテインメント
●ワーナー・ミュージック・グループ
エイベックスグループは日本ではお馴染みの一番有名なレコード会社ですね。独自資本で多数のアーティストとタレントを抱えています。
・ユニバーサルミュージック・ソニーミュージックエンターテインメント・ワーナー・ミュージック・グループは外資系レーベルでこの3大レーベルが音楽市場の世界シェア70%を占めています。
まずお給料ですがこれはほぼないと考えたほうがいいです。(ここでいう給料とは事務所や会社から毎月支給されるお金のことを指しています。)
もちろんインディーズでも大きめの事務所に所属していれば月数万円程度のお給料を貰っている人もいるかもしれませんが大抵が給料なんて出ません。
「マジかよ。インディーズバンドなんてやる意味ねーじゃん!」て思ったあなた。
結論を出すのはまだ早いです。もうちょっと読んでから結論を考えてみてください。
おおまかに言うとライブチケットとCD売上、Tシャツなどの物販です。
チケット代2,500円でノルマが20枚だとします。
2,500円×20枚=5万円がハコ代になりますのでなんとか20枚以上チケットが売れるように目指しましょう。もし10枚しか売れないと25,000円の赤字になってしまいます。
逆に30枚販売できれば25,000円の黒字となりますのでこれがバンドの収入となるわけです。
でもまだまだライブ初心者のバンドには20枚という枚数は難しく感じるかもしれません。
そこで便利なのが対バンです。仲のいいバンドを3バンド誘って4バンドで対バンすれば各バンド5枚のチケット販売で済むわけです。そうやってリスクを4バンドで分散すれば少ないリスクでライブができて経験を積むことができますよ。この時期にどんどんバンドのファンを集めていつの日かワンマンライブができるようになりたいですね。
渋谷の大きいライブハウスだとハコ代が80万。
チケット代4000円でだいたい1000人動員できますのでソールドアウトで400万
400万-80万=320万がバンドの収入になります。
だんだん夢が広がってきたぜ!!
ちなみにロキノン系と言われるバンドは有名も多いですがテレビにはあまり出てないですよね。
どうやって収入を得ているんだろうと思っている方も多いと思いますが実は年中ライブをやっています。
人気バンドとなれば上記のような大きい箱でライブをやってるでしょうから相当な売上になるはずですね。
うーん、ロキノン系恐るべし!!
CDを1000枚作るとだいたいCDの製造原価が200円。
製造費用:200円×1000枚作成=20万。
3,000円のアルバムを1,000枚売ることができれば300万の売上になります。
収入は:300万-20万=280万
アルバムが1,000枚売れると280万位の収入になるわけですね。なるほど。
ちなみに有名なインディーズバンドだと数万枚売れるわけですから10,000枚売れたとしても3,000万円近くの売上になるわけです。
それに枚数が増えれば製造原価はどんどん少なくなりますからより利益率が高まります。10,000枚の製造費用が60万円くらいです。1枚辺りの製造原価60円です。1,000枚作った時の3分の1以下です。
インディーズバンドの活動には多くの出費があります。楽器本体や周辺機器、さらにこれらの維持費なんかはかなりの費用がかかります。このような出費に加えてリハーサルに時間をかければのその分のスタジオ代、ライブの打ち上げなども馬鹿になりません。
打ち上げについては人脈を広げることがとても重要な世界ですので極端に切り詰めるわけにわいかないんですね。
またさらにレコ発をするとなればレコーディング費用やCDプレス費用がかかります。レコ発ツアーをする場合は交通費や宿泊費などもかかります。
バンドマンにはこれらをトータルで考えて黒字になるように上手くマネジメントにする能力が求められます。何も考えずにツアーをして終わってみたら何万円も赤字になってた、なんてことのないようにしなければなりません。
バンドマンの出費に加えていいか意見が分かれるかもしれない部分ですがファッションも重要です。バンドマンはアーティストですから一般人よりもオシャレや見た目にも気を遣う必要があります。安物の洋服ばかりを着ていたりヘアスタイルがボサボサではプロとは呼べないかもしれません。
(ここでいうプロとはライブでお金をもらっているすべてのバンドを指しています。)
●楽器や周辺機器代
●音楽スタジオ代
●ライブのハコ代
●打上げ代
●CD制作費用(レコーディング代、CDプレス代)
●プロモーション代(フライヤー、ホームページ費用等)
●ツアー代(交通費、宿泊代)
など大まかな部分でもこれだけあります。
インディーズバンドは出費も多いけど一度ブレイクするとその収入が半端ない。
メジャーだと作詞作曲の印税が5%。ですが、
インディーズだと全部自分らでやりますからCD制作費用が20%、流通に30%で50%が利益となります。
メジャーバンドと同じくらいCDをセールスすれば実に10倍の利益の差になるわけです。
かつてMONGOL800がインディーズバンドとして累計280万枚セールスしましたがその収入はなんと20億円だったとか。
ヒャッホー!インディーズ最高!!夢があるぜ!
まずはどうすればメジャーレーベルと契約できるのでしょうか。大体の目安として自主企画ライブで300人以上の動員が出来るレベルになるとライブハウス側からメジャーレーベルのスカウトに連絡がいくようです。
その後スカウトがライブを観に来てデビューさせたいとなったら契約書を持って交渉してくるというのが大体の流れです。500人の動員ができるとメジャースカウトも必死になって交渉してくるようです。まずはどれだけライブ動員を増やせるかがメジャーデビューの鍵となります。
メジャーバンドとなると収入はお給料です。だからといってウハウハな生活が待っているかというとそうとも限らないんですよ。
当然ですね。そのバンドで売上が上げられなければ高いお給料は払えません。新人ならば月10万円前後ってところも結構あります。10万円といってもプロモーションをしてバンドを売り出していかないといけないので忙しくなります。忙しすぎてバイトすらできずに給料の10万円だけで貧乏生活、なんてバンドもいるみたいですね。
ギョギョギョ!
そんなこんなで事務所のお金でプロモーションをしてもらっていろんなライブやテレビ、雑誌なんかに出してもらって2年ぐらいで人気が出れば金持ちの仲間入りが出来たりするらしいです。
でも2年頑張って全く芽が出ないようだとクビになってしまうことがあるのがメジャーという世界なんです。メジャーデビューしたバンドの9割型は貧乏と言われています。
ひぇー!話を聞いてるとなんだかインディーズバンドの方が全然良さそうですね。メジャーデビューというとスゲーってイメージだけどデビューしてからが本当のスタートなんですね。
いいところもありますよ。そりゃもう十分すぎるくらいありますよ。
なんてったってプロモーション力がインディーズと全然違う!
どれだけ違うかって言うとざっと10倍くらい違うと言われています。
つまりインディーズの10倍くらいブレイクしやすいってことです。そりゃそうですね。インディーズバンド側からアプローチしておっきなフェスやらテレビや出さしてもらうなんてできませんもんね。
そりゃメディアへの露出量が全然違いますわ。
正直バンドってインディーズまで含めたらホント多いですから。しかも既に多いのに毎年毎年若い有望な少年たちがバンドを結成していますからね。
そこからブレイクを果たすのは宝くじを当てるようなもんです。だからメジャーのプロモーション力は断然有利なわけです。
先ほどメジャーの9割のバンドは貧乏と言いましたが全てのインディーズで言うと本当に成功できるのは0.1%くらいです。
だからお金のかからないSNSやライブパフォーマンスの部分は最低限頑張って当たり前なんです。「今日のライブ楽しかったー」って言って満足しているようだとライバルにどんどん差をつけられてしまいます。
SNS登録はしてるけど全然更新していないバンドもいますね。これではブレイクは夢のまた夢ということです。
メジャー契約して人気が出てくると武道館やらアリーナでのライブも出来たりします。もしチケットが売れずにピンチな時も業界関係者に配って満員にしてくれるなんてケツの面倒をみてくれる場合もあります。
まあ利益はガッツリ持っていかれますけどね。でも人生で武道館でライブできるチャンスなんてまずないですからね。
またメジャーには契約というものがありますので好きな音楽が思い通り出来るかどうかわからないという制約もあったりなかったりするわけです。
でもだたインディーズがいいとかメジャーがいいとか漠然とした考えしかないと成功は難しいでしょう。
インディーズで稼ぐために、もしくはメジャーと契約するために
●いつまでにCDを作る
●CDを何枚売る
●今年は何本ライブをやる。
●いつまでにオーディエンスを何人集める。
●そのためにSNSは毎日更新していく。
というように計画的に目標を立てましょう。
現在はインディーズバンドでも売れるバンドが増えてきています。オリコンチャートに入るバンドでもインディーズが占めていますね。また着うたやitunesでもインディーズバンドがミリオンダウンロードなんて珍しくなくなってきています。
今後はこの傾向がさらに強まっていくのは間違いないと思っています。現在SNSの普及でこのようなインディーズバンドが増えてきているわけですがあと5年もすればインディーズバンドがもっと露出しやすいスマホアプリやらコンテンツが普及するかもしれません。
インディーズバンドをもっと知りたいって需要はたくさんありますからね。今流行りのバンドがサクサク探せるコンテンツとか。
そんなインディーズバンドにとってありがたいコンテンツが出てくれば誰もメジャーを目指さなくなる日が来るかもしれませんね。
今日は以上です。
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚