初めてレコ発するバンドのためにレコーディングスタジオの選び方から作業内容を徹底解説します!

2017.11.19

レコーディング 初心者

バンドを組んでオリジナルの楽曲が増えてきた、ライブも順調にこなしている。そろそろ「自分達の音源」を作ってレコ発をしてみませんか?でも、レコーディングって敷居の高い独特の雰囲気があってなかなか踏み出すのに勇気がいりますよね。そこで今回は、初めてのレコーディングで何をしたら良いか分からないというバンドマンのために、レコーディングスタジオの選び方からレコーディング作業の中身を紹介していきます。全てのレコーディングが全く同じ作業の流れとは言えませんが、参考にしてみてください。

レコーディングの概要

レコーディングは、スタジオを使って楽器や歌の録音を行う作業のことです。(レコーディング後にミキシングやマスタリングも必要)

音源を完成させるまでの手順としては、
1. 楽器や歌のレコーディングをする
2. 録音データをミキシングする
3. 出来あがったデータをマスタリングする
という大まかな流れになっています。

 

1曲の録音を行うのに、5時間程度で終わる場合があったり、1日録音しても終わらないなんて事態も十分にあるのがレコーディングの難しいところ。まずは、録音する楽曲をミスなく弾ける状態にしましょう。それが、レコーディングのスタートラインです。弾けないフレーズを何十回と録音している間にも、レコーディング代金はどんどん増えてしまうので注意が必要です。

 

レコーディングのやり方には大きく分けて、
・スタジオレコーディング
・セルフレコーディング
の2種類があります。

 

まずはスタジオレコーディングについて触れていきましょう。

スタジオレコーディングとは?

スタジオレコーディング

スタジオレコーディングとは、録音ブースやコントロールルームを完備したレコーディングスタジオをレンタルし、機器のセッティングやオペレートを専属のエンジニアさんにお任せして行うレコーディング方法です。

 

スタジオレコーディングのメリットとして、
・演奏以外の全ての作業をエンジニアさんに任せることで演奏に集中できる
・完成した音源のクオリティが高い
などがあげられます。一方、デメリットは、
・自身の録音時間だけでなく、ミキシングやマスタリングの時間も代金が発生するのでレコーディング代金が高額になりやすい
という点です。

 

レコーディングスタジオの選び方

初めてのレコーディングだと、どんなレコーディングスタジオを選んだら良いか迷ってしまいますね。おすすめのレコーディングスタジオの選び方としては、
・バンドの楽曲に近いジャンルを手がけた実績のあるスタジオ
・好みの機材が置いてあるスタジオ
・知人や先輩が過去に使ったスタジオ
・エンジニアさんと話が合う、又は知り合いであるスタジオ
・メンバー全員のアクセスが良いスタジオ
などがあります。

 

まず、エンジニアは生身の人間なので、当然個人によって得意なジャンルと不得意なジャンルがあります。そしてこれは極論ですが、メタルバンドのレコーディングなのにスタジオにあるギターアンプがJAZZ CHORUSしかないとなっては、自身のイメージとはかけ離れた音になってしまいますね。この点をクリアするためには、そのレコーディングスタジオで過去に手がけた音源を聴いてみましょう。また、ホームページを見てどんな機材があるかのチェックも大事です。

 

次に、知人や先輩が過去に使ったレコーディングスタジオであれば、
・こんな所に時間がかかった
・あのアンプの音が良かった
など、レコーディングについてのアドバイスを貰えるチャンスです。
更にそのスタジオで作った音源も聴けるので一石二鳥ですね!

 

そのレコーディングスタジオを使うのは初めてでも、常駐するエンジニアさんが知り合いというのはレコーディングスタジオ選びにおいて大きなメリットです。レコーディング作業のスムーズな進行だけでなく、ミキシングやマスタリングなど音のイメージを伝えるためには、エンジニアさんと細かいやり取りをする必要があります。顔馴染みのエンジニアさんであれば会話や意見交換がスムーズに行えるので、楽曲の方向性が伝わらないという事態を防げます。もしエンジニアさんの知り合いがいるのなら、一度レコーディングスタジオを探していると連絡をして料金や作業の流れなど色々教えて貰うのが良いでしょう。

 

最後、メンバー全員のアクセスですが、アルバムのレコーディングとなると、複数回スタジオに通ってレコーディングをして、その後ミキシングやマスタリングの立会いをする可能性があります。どんなに音や設備が良いスタジオでも、片道何時間もかかる場所では最後まで通いきれなくなってしまいますね。メンバー間で相談し、通うのに無理のない距離でスタジオを探しましょう。

 

レコーディングに持参するもの

レコーディングスタジオに行く前に、当日何を持っていったら良いのか紹介します。レコーディングには、
・自身の楽器や機材(弦楽器は本体・エフェクター・アンプなど、ドラムならペダル・スネア・シンバルなど)
・予備の消耗品(スティック、弦、シールド、電池など)
・楽曲の構成表や歌詞カード
・USBメモリなどの保存媒体(一応)
などが必要になります。

 

自身の楽器や機材は言うまでもありませんね。
自身の機材を持って行ったけれど、スタジオの備品が気に入ってレンタルしちゃったなんてことはよくある話。レコーディングでは、「有る物は削れるけど、無い物は足せない」という言葉があるので、普段は使わない機材などを念のために持参してみても良いでしょう。また、弦が切れるなどのアクシデントにも対応できるように、消耗品の予備は準備しておいてください。備えあれば憂い無しです。

 

次の楽曲の構成表や歌詞カードは、普段は馴染みのない物かもしれませんね。レコーディングを行う際に、エンジニアさんは楽曲を小節数で見ます。例えば、演奏者から、「Bメロだけ録り直しお願いします」と言われても、エンジニアさんは知らない曲なので何小節目なのか分かりません。そこで、イントロなどの小節数をまとめたメモや、歌詞カードを印刷した構成表をエンジニアさんに渡しておくことで、レコーディングの無駄な時間を省けます。レコーディング中にエンジニアさんから指示を受けることがあるので、内容をメモするのにも役立つでしょう。

 

最後のUSBメモリなどの保存媒体ですが、各パート個別に録音していく場合なら、先に録ったデータを貰っておくことで、次に演奏する人がそれを聴きながら本番を想定した練習ができたり、後で自身の反省材料として重宝します。スタジオによっては保存媒体を販売していることがありますが、自身で用意しておくのがベストです。ただ、保存媒体がウイルスに感染してないことを確認しておいてください。安全か分からない保存媒体では、怖くてパソコンに挿せません。

 

最低限、上記を用意しておけばレコーディング当日にトラブルでバタバタする心配はないでしょう。ギターやベース担当の人は、レコーディング前に必ず楽器本体やエフェクターの状態を確認することを忘れないでください。持って行った機材にノイズが入っていては、せっかくのレコーディングに使えなくなってしまいます。

 

スタジオレコーディングの流れ

まず、スタジオに着いたら受付を済ませ、スタッフやレコーディングを担当して貰うエンジニアさんに挨拶をしましょう。挨拶を済ませて持参した機材や荷物などを搬入したら、いよいよレコーディングの準備です。録音方法には、
・楽器隊を同時に録音して後から歌だけ録音する一発録り
・各楽器個別に録音していく別録り
の2種類があります。どちらの方法にするかは、本人達の希望、レコーディングの予算、エンジニアさんの考え方などで決まります。

 

まずは楽器隊。自分のレコーディングの順番が来たら、エンジニアさんの指示に従いつつ楽器や機材のセッティングを進めてください。エンジニアさんは、この楽器のセッティング時にマイクをセッティングしたりその他の機材を調整してくれます。楽器のセッティングが終わったら、ヘッドフォンを付けて、
・自身の演奏している音
・その他の楽器の音
・クリックの音
のバランスを確認して自身が演奏しやすいモニター環境を作ります。

 

ここまで終わったら、後はベストテイクが録音できるまでひたすら演奏です。1曲通して録音したり、構成毎に細かく分けて録音するなど、やり方はその場その場で変わります。希望があれば、先にエンジニアさんに伝えておきましょう。録音した演奏を聴いて問題が無ければ、楽器のレコーディングは完了です。

 

ボーカルのレコーディングは、先に録音してある楽器隊の演奏などを聴きながら歌います。こちらも楽器隊と同様、ヘッドフォンを付けて、
・楽器隊の演奏
・自身の歌
・リバーブのかかり具合
・クリックの音
のバランスを確認して自身が歌いやすいモニター環境を作ります。

 

準備が出来たら、カッコ良い歌を歌ってください。ボーカルのレコーディング時には、
・水などの飲み物(炭酸など刺激物は適さない)
・必要ならば喉をケアするグッズ(喉スプレー、ハチミツなど)
をブース内やブースの近く(レコーディングスタジオによって変わる)に置いて歌いましょう。
歌詞カードは、歌詞の確認だけでなくエンジニアさんからの指示をメモするのに必須です。自身の分とエンジニアさんの分を用意しておきましょう。ボーカルのレコーディングが終わったらレコーディング作業は全て終了です。

 

後はエンジニアさんにミキシングとマスタリングをお願いし、データが出来上がったら完成になります。

 

スタジオレコーディングの予算

スタジオレコーディングにかかる料金を紹介します。料金は各スタジオだけでなく地域差があるので、東京都内でのケースと関東近郊でのケースを分けてまとめました。

 

まずは東京都内。様々なレコーディングスタジオの料金をまとめると、6時間パックの場合、約40,000円~約80,000円程度が多いですね。もっと高額なレコーディングスタジオも複数ありましたが、今回の趣旨から外れると思い対象から除外しました。また、ミキシングやマスタリングに関しては、上記以外に
・1曲10,000円以下~
・1時間約3,000円~約10,000円
など、レコーディングスタジオによって大きく差がありました。

 

この料金には、
・スタジオレンタル代
・機材費(別途レンタル料が発生する機材もある)
・エンジニア費
が含まれていることがほとんどです。

 

次に関東近郊。東京都内と比較すると、やはり全体的に安いですね。6時間パックで約20,000円~約30,000円程度でした。また、ミキシングやマスタリングに関しては、上記以外に
・1曲5,000円~
・1時間約3,000円~約5,000円
など、非常にリーズナブルと言える料金のスタジオもあります。料金が安い分、都内のレコーディングスタジオの機材と比較すると、機材のグレードはやや落ちました。この料金には、
・スタジオレンタル代
・機材費(別途レンタル料が発生する機材もある)
・エンジニア費
が含まれていることがほとんどです。

 

レコーディング予算は、レコーディング自体だけでなく、ミキシングやマスタリングの作業まで含めて立てましょう。5分の曲を録ると仮定すると、演奏に5分とチェックに5分かかります。1回の録りには曲の長さの倍の時間がかかると頭に入れておきましょう。予約する時は、ギリギリ足りるかなという時間ではなく、多少無駄になっても多めに予約しておくことで、演奏者もエンジニアさんも精神的に余裕を持って作業が行えます。良い作品を作るために、時間は十分に確保して作業にあたりましょう。

 

以上、大雑把ではありますが、スタジオレコーディングの紹介でした。

セルフレコーディングとは?

セルフレコーディング

セルフレコーディングとは、エンジニアさんを立てずに自分達で演奏、録音、ミキシングやマスタリングまで行うレコーディング方法です。

セルフレコーディングのメリットとして、
・スタジオレコーディングよりも格安でレコーディングすることが可能
・スケジュールを自分達主導で決められる
・演奏時のプレッシャーが少なく、のびのびと演奏ができる
などがあげられます。

 

一方のデメリットは、
・マイクのセッティングや様々な機材の調整を自分達で行わなければいけない
・ミキシングやマスタリングも自分達でやることになる
・エンジニアさんがいないので、クオリティが低くなってしまう
という点です。

 

セルフレコーディングに必要な物

セルフレコーディングをする場合に、使用するスタジオは2種類あります。まず、1つはスタジオレコーディング同様、レコーディングスタジオ。もう1つは、普段バンドのリハーサルに使っているリハーサルスタジオです。

 

レコーディングスタジオを使用するのなら、スタジオレコーディングと同じ物だけ持参すれば、その他アウトボード機器はスタジオ備え付けの物を使用できますが、リハーサルスタジオを使用するとなると、レコーディング用の機器はほとんど置いてありません。そこで、
・ノートパソコン
・DAW
・オーディオインターフェース
・ヘッドフォン
・ドラム用のマイクセット(スタジオでレンタルできる可能性あり)
・マイクケーブル(スタジオでレンタルできる可能性あり)
などを自分達で用意しなければいけません。

 

DAWとは、「デジタル・オーディオ・ワークステーション」の略で、音を録音したりミキシングするためのソフトウェアのことです。ほとんどのレコーディングスタジオのパソコンには、「Protools」というプロ御用達の高品位なDAWがインストールされています。同じProtoolsを用意する必要はありませんが、安いDAWやフリーソフトのDAW(録音トラックやエフェクトに制限がある場合有)などは事前にインストールしておかなければいけません。有料のDAWの中で値段や操作性を考えておすすめなのは、
・Presonus/Studio One
・STEINBERG/CUBASE
の2つですね。

 

そして、次のオーディオインターフェースは、
・DAW内にマイクやギターのライン録音の音を録音する(AD変換という)
・DAW内の音をスピーカーやヘッドフォンに出力する(DA変換という)
するために必ず必要になります。安価な物は10,000円~高い物は100,000円以上の製品まで、現在は幅広い品質の製品があります。

 

ドラムを少しでも高音質で録音するために、最低でも4トラック(できれば8トラックが望ましい)同時に録音できるタイプを選びましょう。安い物ならば約10,000円~約30,000円程で購入できます。

 

ヘッドフォンは、レコーディングの際、演奏者が音をモニターするために使います。また、後に行うミキシングやマスタリングにも使うので、大事な機材です。録音に使うヘッドフォンは、必ず「密閉型」を選んでください。セミオープン型だと、ヘッドフォンに流している音をマイクが拾ってしまいます。

 

マイクやマイクケーブルについては、実際に使用したいリハーサルスタジオに問い合わせをしてレンタルできるか確認しておきましょう。もしリハーサルスタジオでレンタルできない場合は、ドラムマイク用のマイクセットが販売されているので、そちらを購入すると一通りドラムや他の楽器の録音ができます。予算が厳しい場合でも、バスドラ用のマイクだけは用意してください。

 

セルフレコーディングに最低限必要な物は以上となります。

 

セルフレコーディングをしよう(ドラム編)

準備が整ったら、いよいよセルフレコーディングの開始です。セルフレコーディングでは、一発録りよりも別録りをおすすめします。理由は、演奏だけでなく機器の操作をミスする可能性が高くなるので、個別にじっくりと録音した方が機器をオペレートする人の負担が軽くなるからです。慣れない作業にはトラブルはつきもの。時間をかけてじっくりと作業をしていきましょうね。レコーディング時の注意点として、全ての楽器の曲の終わりのジャーンなどの音は長めに録音しておいてください。長い音はDAWで短く編集できますが、もう少し伸ばしたいと思っても無い音は足せません。もう1つ、ドラムの各マイク、ベース、ギター、ボーカルは全て別トラックを作成して録音してください。トラックを分けることで、後に行うミキシングの際に各トラックの音量調整や音質の補正が楽になります。

 

最初に録音する楽器は、ドラムになる場合がほとんどでしょう。楽器の録音の中でも、ドラムの録音の難易度はかなり高めです。ドラムの録音に慣れていない人は、マイクは3本か4本使って録音すると、その後のミキシングがしやすくなります。マイクの本数をそれ以上増やすと、逆にマイク同士の音の被りが生じてしまいます。マイクをもっと増やすのは、4本での録音に慣れてからにしましょう。

 

マイク3本での録音をする際は、
・バスドラ用のマイク×1本
・バスドラの上からステレオで全体を録る×2本
の3本にすると、綺麗に録音できるでしょう。

 

マイク4本での録音をする際は、
・バスドラ用のマイク×1本
・バスドラの上からステレオでドラムセット全体を録る×2本
・スネア用のマイク×1本
の4本が、録った後の音のバランスが良くなります。

 

バスドラ用には、ダイナミックマイクが適しています。通常のボーカル用のマイクと比べると、バスドラ用のマイクは、やや大きくて丸い形状になっていることが多いです。このマイクの先端を、バスドラに空いている穴に突っ込んだ状態をデフォルトとします。試しに音を録ってみて、もう少し低音が欲しい場合は少しずつマイクを離し、もう少しアタック感が欲しい時は逆に少しずつ近づけてみましょう。マイクの中心は、ペダルに付いているビーターの打面から少しだけずらすと、風圧を避けられて良い音になる傾向があります。

 

ドラムセット全体を録るステレオのマイクは、最初はダイナミックマイクでも良いですが、慣れてきたらコンデンサーマイクを使ってみましょう。コンデンサーマイクの方がシンバルなどの金物を綺麗に録音できます。場所は、バスドラの中心から左右に10cm程度離し、そこから高さを調整していきます。マイク3本の場合は、シンバルの音量、スネアの音音量、タムの音量に大きな差が出ない位置を探して、そこでセッティングしてください。

 

スネア用には、ダイナミックマイクが適しています。マイクの先端をスネアのリムから数cm内側に入れて、少しずつ角度や位置を調整していってください。マイクの高さは、リムから数cm上にしておきます。マイクをリム側に近づけるとアタック感と金属成分が強くなり、逆にスネアの中心に近づけると低域と皮鳴り感が強くなります。

 

オーディオインターフェースのインプットの音量をチェックして、ピーク(0db)を超えない音量で録音してください。あまりピークギリギリにせず、不意に大きな音を出してもピークが付かないレベルが良いでしょう。ピークを超えると、音割れをして汚い音になってしまいます。これらのマイクのセッティングは決して正解ではありません。これを基本として、色々な調整を試し、色々な音を録ってみてください。

 

セルフレコーディングをしよう(ベース編)

ドラムが録音できたら、次はベースのレコーディングになります。ベースのレコーディング方法には、
・ライン録り
・アンプ録り
の2種類があります。

 

ライン録りは、ベースのシールドをオーディオインターフェースに接続して録音する(この時にDIがあるとより高音質になる)方法です。アンプ録りは、ベースアンプのキャビネットにマイクを立てて録音する方法です。どちらも同時に録音できるのが理想ですが、どちらかしか録音できないのならライン録りをしましょう。理由として、
・現代はライン録りが主流になっていること
・ラインの音の方が扱いやすい音
・アンプシミュレーターは後から付け足せる
のが理由です。こちらもピークに注意しつつ録音してくださいね。

 

セルフレコーディングをしよう(ギター編)

リズム隊の録音が終わったら、次はギターのレコーディングです。ギターもベース同様、ライン録りとアンプ録りの2種類があります。スタジオレコーディングではアンプ録りをすることが多いですが、セルフレコーディングの場合はお好みの方で良いです。

 

ライン録りには、
・ミキシングの段階でアンプシミュレーターで音を作ることでアンプのモデルやエフェクトの切り替えなど、気軽に音を変えられるメリット
・生のアンプの音を録音できるので音質が良くなるメリット

・生のアンプとやや質感が変わるので、音質が落ちる場合があるデメリット
・録った音は変更することができないデメリット
があります。

これは実際に演奏するギタリストと事前に相談をして決めておきましょう。マイク録りをする際は、キャビネットのスピーカーから1つ選び、そのスピーカーの中心をずらしてマイクを立ててください。使用するマイクは、ダイナミックマイクでもコンデンサーマイクでも好みで構いません。キャビネットから数cm離して一度録音し、その後位置を前後させたり変えてみてください。

 

セルフレコーディングをしよう(ボーカル編)

最後にレコーディングするのは、ボーカルです。ボーカル用のマイクは、ダイナミックマイク、コンデンサーマイクのどちらを使用しても構いません。音質だけで言うとコンデンサーマイクの方が優れますが、コンデンサーマイクは周りの音を拾いやすい特性があり、隣のスタジオの音が入ってしまうなんて可能性が稀にあります。ダイナミックマイクの方がボーカルのレンジは狭くなりますが、コンデンサーマイク程周囲の音を拾わないので、最初はダイナミックマイクの方がスムーズにレコーディングできるでしょう。

 

予算に余裕があれば、マイクプリアンプを導入してみてください。マイクプリアンプはギターアンプと同様、ボーカルの音を作る決め手になる機材です。10,000円以下のマイクプリアンプは逆にノイズ混入の原因になる場合がありますが、20,000円~30,000円程度のマイクプリアンプなら、少なからずメリットがあるでしょう。

 

ボーカルによく使われるリバーブやディレイなどのエフェクトは、ミキシングの段階でかけてください。レコーディング時にかけてしまうと、後で残響音が多いと感じても減らせないからです。

 

これで、レコーディングは全て終了になります。

ミキシングをしよう

ミキシング レコーディング

レコーディングが終わったら、次はDAWを使ってミキシング作業です。ミキシングは、楽曲や録った音によって毎回やり方が異なるので、「ボーカルのイコライザーは○Hzを○dbブーストして」など一概に言えません。(※参考書などを否定する訳ではありません)

 

今回は、ミキシング作業の基本的な部分だけ紹介します。

 

ミキシングに慣れていない内は、市販のCDを読み込んで録ったデータと一緒に並べることで、定位をどうするか、補正をどうするかの参考にできます。(市販のCDと自身の楽曲との音量差は、この時点では無視してください)

 

ミキシングですることは、
・波形処理
・音量調整とPANの設定
・エフェクトの追加など
などです。

 

最初の波形処理ですが、
・録音した各トラックの全ての波形の始まりにフェードイン
・各トラックの全ての波形の終わりはフェードアウト
・波形を切り貼りして重なった部分はクロスフェード
という処理をします。これをしないと、波形の始まり、終わり、重なる部分でプチッというノイズになってしまうからです。演奏のタイミングが少しずれている箇所は、分割ツールなどで波形を切ってずらしてください。(タイミングが大きくずれると、補正しきれないことがあります)

 

次の音量調整ですが、最初に各トラックの音量を調整して、ある程度バランスを取ります。これをする前にエフェクトで音量をいじってしまうと、後々の微調整が面倒になることがあるので注意してください。音量調整と同時に、PANをいじって定位を決めましょう。ほとんどのDAWのミキサー画面にPANが付いているので、ボーカルはセンター、ギター1は右に40など調整します。音を振り分けることで、音量を上げなくても各パートが聴きやすくすることができます。お弁当箱にご飯やおかずを詰めていく感覚で、お互いを引き立てていきましょう。これで楽曲の大まかなバランスが作れるので、後は各トラックの補正を行ってください。特に出番の多いエフェクトは、
・イコライザー
・コンプレッサー(マルチバンドコンプレッサー含む)
・リバーブ
・ディレイ
などですね。

 

イコライザーの使い方は、なるべくブーストではなくカットの方向で使う(必ずではない)と、良い結果になりやすいと昔から言われています。例えば、ボーカルが聴こえにくい場合。ボーカルの高域をブーストするのではなく、ぶつかっているギターの高域をカットすることで相対的にボーカルが聴こえやすくなります。低域も同様、キックが聴こえにくい場合は、キックの低域をブーストではなく、ベースの低域をカットしてみましょう。カットで上手くいかない時は、少しずつブーストをして調整します。

 

次のコンプレッサーは、音を圧縮して音量を平均化するエフェクトです。バスドラ1発だけ極端に音が大きい状態だと、その音が基準になってしまうので他のバスドラの音は小さくなってしまいます(0dbを超えると音が割れてしまう)。そこで、コンプレッサーを使ってその大きい音を圧縮することで、他のバスドラの音が大きくできるようになります。
・レシオは圧縮する比率
・スレッショルドは圧縮が始まる音量の決定
・アタックはスレッショルドを超えてから圧縮が始まるまでの速度
・リリースは圧縮が終わるまで
を調整するつまみです。

 

リダクションは圧縮された音量になります。ニーが付いているコンプレッサーがありますが、最初はニーはデフォルトのままで良いでしょう。マルチバンドコンプレッサーは、このコンプレッサーの機能を周波数毎に複数設定できます。マルチバンドの方が細かい補正が出来ますが、やや使い方が難しいのが難点ですね。

 

最後に、リバーブとディレイは残響を付けるためのエフェクトです。ボーカルに使うとリッチな音になりますね。また、リバーブは、音の馴染みを良くする効果も持っています。各楽器の音がうまく混ざらない時は、薄くリバーブを付けてみると馴染むことがあります。リバーブとディレイを使う時に注意して欲しい点が、他のエフェクトは各トラックに直接インサートして使って良いのですが、リバーブとディレイは直接トラックにインサートしてはいけません。空間系のエフェクトは、パソコンに高い負荷をかけるので、全てのトラックに使ってしまうと、フリーズしたり酷い時にはファイルがクラッシュするなんて危険があります。空間系エフェクトを使う時には、録音トラックとは別にAUXトラックを作成して、そこにエフェクトをかけてください。AUXトラックは、その他の各トラックでエフェクトを共有できる特徴があります。
AUXにリバーブを1つかけておくと全てのトラックでリバーブが使えるようになり、パソコンに優しいミキシングになります。

 

ミキシングでは、最終的にピークの音量が-3db~-5db程度になるように作りましょう。ここで0dbギリギリにしてしまうと、マスタリングでの補正ができなくなってしまいます。これで、ミキシングは完了となります。

マスタリングをしよう

マスタリング レコーディング

ミキシングが終わったデータは、最後にマスタリングという工程を通って完成です。マスタリングの役割は、現在はミキシングされたデータを更に補正し、曲単位でなく作品全体で質感を統一させる作業と言えます。こう聞くと難しく感じますが、セルフでできるマスタリングには限りがあるので、今回は必要な補正についてのみ紹介します。

 

Studio Oneには、マスタリング専用の画面が用意されているので、そこにミキシングが終わった楽曲を並べてください。CUBASEなどの場合は、マスタリング専用のプロジェクトを新規作成し、そこにミキシングした楽曲をトラック別に貼り付けます。準備ができたら、エフェクトを使って更に微調整します。楽曲毎に音量のバラつきを感じるようなら、音が大きいと感じる楽曲の音量を下げたり、音量が小さいと感じる楽曲に弱めのコンプレッサーをかけましょう。この時に、必要があればイコライザーを使って音質も補正してください。楽曲毎のバランスが決まったら、最後にマスタートラックにリミッターやマキシマイザーを使って音圧を調整します。

 

どの程度の音圧にするかは、楽曲やジャンルによって本当にバラバラです。迷いそうな時は、お手本にしたいCDをWAVE形式で取り込んで一緒に並べてみましょう。CDの楽曲を再生する時はリミッターやマキシマイザーをミュートし、自身の楽曲がどう聴こえるかの物差しとします。市販のCDと同じだけの音圧にするのは難しいかもしれませんが、目標と比較することで近づくことは可能です。

 

調整が終わったら、WAVE形式で書き出して楽曲の完成になります。これでセルフレコーディングは終了です。

スタジオレコーディングとセルフレコーディングはどちらがいいのか?筆者の考察

ここまでスタジオレコーディングとセルフレコーディングについて紹介してきました。スタジオレコーディングとセルフレコーディングの比率ですが、筆者の周りではスタジオレコーディングを選ぶバンドの方が多いですね。音質面でのメリットを重視すれば、自然な結果だと思います。

 

筆者は多少レコーディングの機器を持っていて、たまにレコーディングの依頼を受けることがあります。ですが、バンドの要望を聞いてスタジオレコーディングの方が良いと感じれば、やんわり断る場合も。家庭がある、または学生で予算を多く割けないという人には、セルフレコーディングの方が経済的です。調べたり勉強しなければいけないことは多いですが、自身の楽曲を自身で作れる喜びが付いてきます。

 

非常に長くなりましたが、これでバンドのレコーディングについての解説は終わりです。ぜひ次回のレコ発の参考にしてください。

 

今日は以上です。

ライター紹介

名前:ユザワヤスヒロ
元ベーシストなWebライター。
ライターの他に、雑貨のネットショップの経営と、自身の小さなプライベートスタジオでレコーディングやミックスを担当しています。
http://www.sakura-works.jp/

 

 

 





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プロフィール

よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚