プレシジョンベースの歴史 その1

2017.12.5

プレシジョンベース ベースギター

エレクトリックベースといわれるとベーシストの皆さんはどんな形を連想しますか?私はやはりプレシジョンベース(通称PB,プレベ)を思い浮かべます。実はこのプレシジョンベースはエレキベースにおいて一番最初に出来上がったものというのを皆さんご存知ですか?今回はそんなプレシジョンベースの歴史を紐解いていくとともにそのころのベースギターの音が聴くことができるベーシストをご紹介していきます。

エレクトリックベースの始まりとプレシジョンベースの誕生

アメリカはカリフォルニア州フラートンでラジオ修理などをして暮らしていた「レオ・フェンダー」は、「アドルフ・リッケンバッカー」の従業員であった「ドク・カフマン」と一緒に1939年「K&F」という会社を設立します。最初は「ラップスティールギター」や「アンプ」の製作を中心に業務をしていましたが、7年後の1946年に「ドク・カフマン」が会社を退社。それを機にレオ・フェンダーは自分の夢を形にする会社「FENDER Electric Instruments Co.」を創業します。
彼にとっての夢はエレキギターを作ることでした。1950年にのちに「テレキャスター」という名前になる「エスクワイヤー」を発表します。その時点で実は「フェンダー」はベースのプロト・タイプも制作していました。

 

それから1年後の1951年。ついに世界初のフレット付きエレクトリックソリッドベースである「プレシジョンベース」を発表します。今までの「ベース」は「コントラバス」のことを指し、フレットがないために音程を取る事が難しいこと、あと低音を響かせるために大きな胴体が必要であり、持ち運びが不便でした。しかしその問題を解決するために「フェンダー」はエレキギターの構造からヒントを得たエレキベースを完成させたのでした。名前にある「プレシジョン」という言葉は「正確な」という意味を持ち、フレットによって正確な音程を出せることのできるベースという意味で名づけられています。日本語にするとすこしダサいですね。

 

実質的にはエクスワイア―のベース版という形であり、本体の角は丸みを帯びさせるコンター加工されていないアッシュ製ボディでメイプルを使用したワンピースネック、エスクワイヤー(テレキャスター)と同様のヘッド・デザイン、ブリッジは1つのコマに2本ずつ弦を乗せるサドルに、シングルコイル・ピックアップを1つ搭載するというものでした。ほかにも様々な工夫が施され、ネックのトラブルに対応しやすいようにデタッチャブルネックの構造を採用しています。なぜこのような形や構造にしたかというと基本的には製品にかかるコストを最低限にすること、そして品質の安定しやすいことを目的に作られたからだと考えられます。しかし角ばったボディなどによる使い心地には改善の余地があり、1954年に1度目のモデルチェンジをしています。

 

同時期に発表された「ストラトキャスター」にはコンター加工が施されていたため、同じような加工を施すように変更をかけています。プラスしてピックガードの形状や色のバリエーション、ボディカラーに2トーンサンバーストなどが加わります。その後、1957年に再度モデルチェンジを行い、ヘッドシェイプを「ストラトキャスター」と同様の形に変更。ボディ材がアルダーになります。ピックアップは「シングル」から2つのコイルを組み合わせた「スプリットコイル」方式になり、ここまでくるとピンとくる方もいらっしゃるとおもいますが、現在の「プレシジョンベース」の原型が完成したのでありました。ブリッジも裏通しではなく1弦ごとにサドルが存在し、より安定したチューニングを可能にしました。この年のピックガードにはゴールドアノダイズド(陽極酸化被膜)のものが採用されており、このモデルにあこがれている人も多くいらっしゃいますよね。こうした何度かのモデルチェンジを経て、完成形となった「プレシジョンベース」。実際、この1951年~1957年頃の「プレシジョンベース」は「オリジナルプレシジョンベース(OPB)」と呼ばれます。

1951~1957製プレシジョンベースの音が聴ける。おすすめ楽曲。

『I Want You Back』「Wilton Felder」

Jackson 5 -I want you back with lyrics
「ジャクソン5」の名曲である『I Want You Back』。この楽曲でベースを担当したのは、のちに「ザ・クルセイダーズ」でも活躍するサックスプレイヤー「ウィルトン・フェルダー」さんです。実際ベースを弾いている写真も存在しており、その際にはテレキャスターヘッドが写っているため、1951年~1956年のモデルである「プレシジョンベース」を使っていることがかなり有力です。こういった名曲の裏側に「プレシジョンベース」の音色が詰まっていることがとても感慨深いですね。歴史を作った音ですからね。

『What’s Going On』「James Jamerson」

Marvin Gaye – What’s Going On
1957年製の「プレシジョン・ベース」を使用し、”Black Beauty”と呼んでいた「ジェームス・ジェマーソン」さん。モータウンの楽曲で素晴らしいベースラインを数多く残す天才です。そのほとんどが「プレシジョンベース」によるものであることは明白で、”Black Beauty”が盗難された後にも1962年製のプレシジョンベースを購入し、一生愛し続けていました。歌うようなベースラインはいまだに多くのベーシストたちのあこがれの的でもありますよね。

 

今日は以上です


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よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
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