2017.2.25
スタジオ常設率の高いアンプといえば、ローランドのジャズコーラス、フェンダーのツインリバーブ、そしてこのMarshall JCMシリーズです。最近では、DSLシリーズとして、後継機が発売されていますが、JCM900やJCM2000はスタジオやライブハウスでよく見かけます。
サウンドの特徴はよく歪むことです。といってもメサブギーのようなゴリゴリに歪む感じではないです。メタルをするならメサブギーのレクティファイアーですが、ハードロックならマーシャルです。実際、一番最初のJCMシリーズであるJCM800はバリっとした明るめのトーンでした。
1981年、イギリスでそれまでのマーシャルに無かったアンプが誕生しました。マスターボリュームと、ボリューム、2つのボリュームつまみによって歪みの量をコントロールするのが、JCM800 2003・2004だったのです(2003は100Wモデル、2004は50Wモデル)。他に、マスターボリュームのない1959、1987というモデルもあります。
JCM800はシンプルな1チャンネルのアンプです。当時としては、歪みの量がコントロールできるメリットが大きく、ガンズ・アンド・ローゼスのギタリストのスラッシュやヴァン・ヘイレンのエドワード・ヴァンヘイレンが愛用していたことで広まりました。
1990年代には2チャンネルアンプのラインナップを加えたJCM900が登場しました。2つのチャンネルで、クリーン、ハイゲインの切り替えが出来る900シリーズも大ヒットしました。ただ、パワー管のEL34管が1994年に入手困難になり、そこからは5881管を使用しています。便宜上、EL34を前期型、5881管を後期型と呼んでいます。
その後、1998年にはJCM2000シリーズが発売されました。DEEPスイッチが新設され、メサブギー・レクティファイヤーのような音作りに役立つ、低音域をブーストする機能が加えられました。2007年に廃盤となり、マーシャルの主力は多チャンネルのJVMシリーズへと移行しました。
今では、JCM800のリシューモデルが継続して販売されているだけです。2000シリーズはDSLシリーズとなり、JCMシリーズのモデル名は800のみになってしましました。しかし、80年代以降のロック史においてJCMシリーズは、計り知れないほどの影響力がありました。
主にリハーサルスタジオや、ライブハウスで見かけるJCMシリーズのセッティングについてレクチャーします。オールドマーシャルと違い、JCMシリーズのトーンはフル10に向いてません。12時方向でセッティングし、足りない成分を足したり、余分なEQを引いてバランスを取ってください。
1チャンネルの800では、ブースターを使ってバッキングとソロを切り替えるのもおすすめです。900もクランチ気味にすると800同様、バッキングに適したバリっとしたサウンドになりますが、ブースターを併用することでキャラクターを変化させられます。
2000に関してはフットスイッチで色々と切り替えられるので、便利なアンプです。マーシャルはクリーンが駄目だとよく言われますが、セッティングしだいで使えないこともないです。
スタジオに置いてあるアンプは、稼働率が高いので真空管がへたっていたり、スピーカーが劣化していたりします。特にマーシャルはチューブアンプですので、コンディションの影響を受けやすいので、JCMサウンドが気に入っているなら購入してみてはどうでしょうか。
今日は以上です。
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚