2017.8.28
リハーサルスタジオやライブハウスで高い確率で置いてあるのが、マーシャルのギターアンプです。ギタリスト=マーシャルというイメージが定着する程、ギタリストの定番になったアンプメーカーですね。今回は、そのマーシャルのアンプについてまとめました。おくと会話が弾む…かも!
マーシャル社の創始者は、ジム・マーシャルでした。そんなジムの遍歴は、1936年に遡ります。
1936年、当時13歳だったジムは、楽団のオーディションを受けます。見事オーディションに合格したジムは、リードボーカルとして活動していきます。順調に活動していましたが、1942年、ジムが19歳の時にアクシデントが起きました。当時メンバーだったドラマーが徴兵により脱退を余儀なくされたのです。ドラマーがいなくなってしまい、仕方なくジムがドラムも担当するようになりますが、ここでジムの才能は開花します。ドラム兼ボーカリストとして、ロンドンを中心に活躍していったのです。
ドラマーとしての人気が高まり、自身のドラム教室を開いた時にも多くの生徒がジムの元に押しかけました。その中には、あの有名なジミ・ヘンドリックスのバックでドラムを叩いていたミッチ・ミッチェル、リトル・リチャードなどもいたというから驚きです。1960年になると、ジムは生徒達の要望に応え、ドラム専門の小売店「マーシャル・ショップ」を始めます。
マーシャル・ショップにはドラマーの生徒だけでなく、バンドメンバーも頻繁に来るようになりました。そうすると、今度はバンドメンバー達の要望に応え、アンプの取り扱いも始めます。ドラマーとしての技術だけでなく、ここまで人に愛されるのは、きっとジムの人柄の影響もあったでしょう。
しかし、当時はアンプの故障が多く、ジムは日々アンプの修理に追われてしまいます。1962年、自分ならより安くて良いアンプが作れると考えたジムは、最初の自社アンプ「JTM45」を開発しました。このアンプが話題となり、アーティスト達から注目を浴びるきっかけとなります。これに伴って、社名も「マーシャル・アンプリフィケーション」と変更し、今のマーシャルの元が誕生します。
・JTM45
マーシャル社の最初のアンプになったJTM45。Fender社のベースマンを手本に作られていて、現在のマーシャルのような強い歪みは作れません。出力は45Wで、クランチサウンドが素晴らしいですね。
・1959
プレキシという愛称で親しまれたのが、この1959です。Super Leadと記載された初めてのモデルになりました。出力は100Wで、この頃からマーシャル・スタックという3段積みのスタイルが定着しました。
・JCM800
1981年に登場したのが、JCMの初期型であるJCM800です。ロゴを大きく変更し、現代のマーシャルの元になった名作で、マーシャル社最大のヒット作になりました。スラッシュやザック・ワイルドに愛用されたこともヒットに繋がっています。JCM800には2203(出力100w)、2204(出力50w)という2つのモデルがありました。懐かしさを感じる荒く温かい歪みで特徴で、
・JCM900
時代がハードロックを求め、ギタリスト達がJCM800を改造したり更に歪みエフェクターを使用し始めたことを受け、マーシャルではJCM800のハイゲインモデルJCM900を発表します。クリーンチャンネルと歪みチャンネルを切り替えられたJCM900は、その利便性からあっという間に世界に広まり、新しいギタリストの定番になっていきました。JCM900には4100(出力100w)、4500(出力50w)という2つのモデルと、2100(100w)、2500(50w)というクリーンの切り替えができないモデルがあります。ハードロックの全盛期を支えたのが、マーシャルのアンプだった訳です。
・JCM2000
2000年代に入ると、音楽はより多様化してきます。それに伴い、ギタリストもより多くの音色の切り替えを求められるようになりました。そこで登場したのが、JCM2000です。JCM2000は、2つのシリーズに分かれていました。「Dual Super Lead」の略称のDSLと、「Triple Super Lead」の略称のTSLです。
DSLは、JCM900と同様に2チャンネル切り替えのシリーズです。JCMよりも更に太くなった音は、多くのギタリストに好まれましたね。
一方のTSLは、名前の通り3チャンネル切り替えのシリーズです。より多くの音色切り替えが可能になったことで人気になりました。DSLよりもTSLの方が粒の細かい歪みがすると実感しています。
現行のマーシャルシリーズの1つに、JVMシリーズがあります。JVMシリーズはクリーンからメタルまで、本当に幅広いジャンルの音楽に合った現代の定番とも呼べるアンプです。芯があるのでバンドでも埋もれにくく、かつ高域も耳に痛くならないので、ギタリストにとって非常に使いやすいアンプになっています。
もう1つのシリーズは、 Vintage Modernシリーズです。近年のマーシャルサウンドとは少し違い、懐かしい時期のマーシャルサウンドに近い音が特徴です。適度な歪みの荒さがありつつも、しっかりゲインも稼げるのでハードロックなどに合いそうですね。
余談ですが、私はマーシャルが嫌いでした。硬くて耳に痛い音がするアンプだと認識していたからです。ですが、バンドを辞めた今分かったのは、それは使っている人に問題があったのだということでした。
モダンな感じの音が欲しい時は、1959、JCM800、Vintage Modern辺りがおススメです。近代的なロック、ラウド、メタルなどの音楽には、JCM2000、JVM辺りが合うでしょう。マーシャルは、ロックの歴史を作ってくれたとても素晴らしいアンプメーカーです。
今日は以上です。
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚