バンドマンにとっての「良い音」とは

2017.9.26

バンド バンドマン 音

バンドマンにとって「音」とは商品を担う大変大事なポイントであり、ライブやレコーディングなど、音楽に携わる仕事においても、最大限気を遣うポイントであることは言うまでもないでしょう。「良い音」「悪い音」などと言われますが、その基準は人それぞれであり、一概には言えない事ですが、様々な点から「良い音について」を考えてみたいと思います。

良い音とは何か?

オーディオ機器の世界では、良い音とは「音の再現性(どれほど生の音に近いか)」や「分離感(音源内の楽器などがしっかり埋もれず聞き取れるか)」などが重視される傾向があります。また、ノイズが少ないことや、(聞いていて)疲れない事なども重要なファクターとなるようです。(「音響機器マニアの言う良い音」と聞くとなんだか説得力あるように感じますよね)

 

これらを「バンドの音づくり」に置き換えて考えてみると、「再現性・分離感」→エンジニアの仕事になりますし、ライブではそもそも生と言えば生です。「ノイズ・疲れない」→バンドのカラーや考え方によりますし、人によっては歪みすらノイズです。バンドサウンドにおいての「良い音」は非常に形容し難く、「一概には言えない」という答えが一番しっくりくるでしょう。それでも「このバンドの音が良い」などと感想を持つのはなぜでしょうか?

「良い」の意味合い

アーティストのアルバムを聞いて、「この曲はすごく好きなのに、あっちの曲は全く受け付けない」と感じた経験はないでしょうか?よくよくクレジットを見たりすると、いつもとは作曲や編曲者が違ったり、関わるエンジニアが別の人だったり、演奏者が違ったりなどの「変化」を見つけることがありますよね。「どこが原因で悪い」というよりは、「急に馴れていない環境を聞かされる」といったほうが正しいかも知れません。そういった変化によって「この曲は苦手かも」などと感じることがありますよね。

 

それを考えると、聞き手の趣味・趣向・聞く音楽の傾向や耳の熟練度などによって、「良い音」というのは変わってしまうといっても良いかと思います。アコースティックな音楽しか聴かない人に、歪ませた爆音ギターロックを超高音質で聞かせても、良い音である可能性は少ないはずです。

良い音の前に最低限を考える

自分のバンドサウンドを良い音として聞き手に受け取ってもらうためには、どうしたらよいでしょうか?というと、自分のバンドを好きになってもらうのが一番早いでしょう。…というのが一番難しい事なのは間違いないですが、具体的に考えていきましょう。

 

まずは明らかに不快になる音は出さない事が前提になるでしょう。たとえば「ノイズ」と聞くと、音楽においては「不快なもの」と目の敵にされていますが、果たして本当でしょうか?バンドサウンドにおいては、ノイズなどを上手く使って曲を引き立てる傾向にあります。広義で言えばギターのピックスクラッチなどもノイズですよね。

 

また、ノイズをサンプリングして格好良く使っていたりもします。(そもそもノイズが売りの前衛的な音楽などもありますが、いったん省きます)単純にノイズの少ない音=良い音とするならば、バンドサウンドは確実に向きませんよね。ノイズに関しては、あからさまなものを除いて、音楽のうちとすることも必要です。逆にハウリングの音はあからさまに要らない音です。特に高音域のハウリングは単純に耳を傷めますし、低音のハウリングは体に響きます。

 

出ていれば格好の良い音、明らかに必要のない音の仕分けが出来る、これは最低限必要かと思います。ライブやレコーディングにおいては、どうしてもPAやレコーディングエンジニアに頼らざるを得ない部分ですが、意識しておいて損はないはずです。

バンドマンとしての良い音とは?

各楽器が最高の良い音を奏でていても、その音づくりがボーカルを潰すようでしたら「バンドサウンド」としては間違いなく失敗です。また、それはボーカルだけに限らず、全パートに当てはまる事だと思います。バンドの醍醐味だと思いますが、一定の秩序があり、譲り合い、最高の音を目指すことが「バンド」としては必要最低限であり、最大の目標です。

 

バンドマン一人ひとりにとっては、お客さんに届ける「良い音」は意識しづらいものだと思います。ライブをやっていれば自分たちが聞いているのは「中音」でしかなく、音源になってしまえばエンジニアの技術が詰まっているため「良い音」とは何なのか、と彷徨ってしまうこともあると思います。日頃から色々な音楽に触れ、客観的に自分の音を聞けるように、トレーニングしておくことも必要となってくることは、楽器の練習に負けるとも劣らない、大切なトレーニングでしょう。

さいごに

バンドマンにとって、音の良し悪しは商品(自分たちの音楽)の価値を左右する大事なファクターです。しかし、音質の良し悪しがすべてではありません。すべての音源がハイレゾ音源になり、ノイズの一切ない世界で音楽を楽しめれば、それはそれで素敵なことかもしれませんが、味気ない気もしませんでしょうか?あえてローファイ・ローテクの録音をして音源を残そうとするミュージシャンも一定数いるのには、どことなく人間味を感じられて良いなと思っているのは私だけではないはずです。自分たちの信じる、「自分のバンドにしか出せない音」が「良い音」へのヒントなのかも知れません。

 

今日は以上です

 

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プロフィール

よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚