2017.5.9
バンドをやっていると常日頃から「良い音を作ること」に頭を悩ませているかと思います。いろいろな機材を買って試しては気に入らなくて売り払って、と試行錯誤するのも醍醐味かと思います。ここでは特に「ギタリスト・ベーシスト」に焦点を置いて、機材選びで気をつけたいポイントを4つ紹介したいと思います。
ボーカルやドラムを除いて、バンドをやるうえで必ず必要となるのは楽器本体ですが、その種類やグレードは様々です。
ギターやベースに関しては選択肢があり過ぎて困ってしまう場合もあるかと思います。また、その金額も様々で、高い値段で売られている楽器は、さもプロ仕様でとてつもなく良い音がしそうな気がしますが、それは一概に「正解」という訳ではありません。
結論から言うと「10万程度の楽器でもプロが使うのに耐えうるクオリティー」を作り出すことができます。バンドを長くやっていると「高い楽器を使わなければならない」といった固定観念が根付きやすいですが、楽器は音を作るための一つの「パーツ」でしかありません。
高い楽器が良い音を出しているわけではなく、楽器につながるすべての機材(エフェクターやアンプそれらをつなげるシールドなど)のトータルコーディネートが重要な要素となってきます。
楽器の選び方としては「見た目が良い・音が気に入った・似合っている」の3点を抑えているのが大事です。高額なものである必要はありませんので、(しっかり作られているものの中で)フィーリングに頼って選んでみるのも良いでしょう。
バンドマンにとって、一番頭を悩ますところがこの「エフェクター」の部分だと思われます。とくにギタリストにとっては、「コンパクトかマルチ」から始まり、「あのメーカーのどの機種が良い」「この新商品が気になる」「どれをどの順番で繋げる」などと考えることが星の数ほどあります。
特にコンパクトエフェクターに関しては、「1つにつき1種類のエフェクト」が基本ですから、どうしても機材の量が膨らみがちです。重いエフェクトボードを持ち歩くのは結構な重労働ですよね。
エレクトリックの楽器は、ピックアップで電気信号に変換された楽器の音(弦の音やボディ―の鳴りなど細かいものも含めて)を、シールドからエフェクター、またシールドを通りアンプで増幅されスピーカーへと送られます。
どんな名機と言われるエフェクターでも、ひとつ繋ぐたびに「インプットおよびアウトプットジャック(物理的な接点)とエフェクト回路」を増やしています。これらは基となる楽器の音を衰退させる原因となっている事を頭に入れておかないといけません。
そして、エフェクターの導入については「とりあえず買って試してみる」というのも手ではありますが、「本当にそれがないと良い音が出ないのか?」「今ある機材をつながない手はないか?」といった引き算の発想も大事になります。
どうしても多数のエフェクターをつなぎたい場合は、全部直列につなぐのはなるべく避けて、ループスイッチャーなどを上手く使って使わないエフェクトはバイパスしましょう。電源も可能であれば分けましょう。
バンドマンによっては、自分のアンプをライブの度に持ち込む人もいます。アンプはライブ先にあるじゃないか、と思われるかもしれません。また、初期費用もかなり高額になりますが、アンプの持ち込みには大きなメリットがあります。
まずは音づくりが非常に楽です。慣れ親しんだアンプでいつも通りのセッティングをすれば、後はその場に応じて微調整をするだけで「いつもの音」を作ることができます。
実はライブハウスなどにあるアンプは、同じメジャーな機種が置いてある場合でも「個体差」が存在します。「JCM2000(マーシャルの2000)」などに代表される真空管アンプに多いですが、ヘッドの真空管やキャビネットのスピーカーなどは、純正とは別の物を使って修理されている場合があります。また使用された頻度も様々ですので、どうしても個体差が出てきてしまいます。
その「個体差」を気にせずに、いつものアンプでの音づくりが出来るのは大きなメリットとなります。良い音でライブに望みたい、といったバンドマンの願望を叶えるには、アンプを自前にしてしまうというのもひとつの手段です。
ただし「運搬車必須」「転換が大変」「故障などの修理は自己負担」といったデメリットはついて回ります。それらを考慮して、導入の際は検討してみて下さい。
いままで楽器・エフェクター・アンプと紹介させて頂きました。その中でも音が良いと世代を超えて売られている「ビンテージの機材」があります。確かに良い音を出す機材は多く存在します。
しかし注意したいのは、バンド機材は電気を使った製品です。ビンテージと言われる機材は製造から数十年たっている訳ですから、電装パーツは間違いなく劣化しています。想定外のトラブルなどが起こる頻度は確実に多いです。
ビンテージの機材はなるべくライブでは使わず、レコーディングなどで活躍させた方が安全な使い方です。どうしてもライブで使う際は、日頃からのメンテナンスをしっかりと、またインプット/アウトプットジャックなどの物理的接点は劣化が早いため、万が一に備えて新品に交換してしまうのをお勧めします。
機材選びはバンドマンにとっては避けては通れない道ですが、増やせば増やすほど基となる音を劣化・減衰させる、またトラブルの原因を増やしてしまうといった事につながってしまうのも事実です。自分が出したい「良い音」と、思わぬトラブルを想定した「リスクの管理」を天秤にかけた考え方も大事になってきます(ライブ直前に音が出なくては元も子もありません)
安定して良い音を出せるかどうかは、バンドマンにとって、演奏の技術に次いで大事な要素になるかと思います。機材を増やす際はそれらの点も踏まえたうえで、充分に悩んでみるのも良いのではないでしょうか?
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚