2017.8.22
最も音域の広い楽器として有名なピアノは、DTMのシーンでも重要な位置を占める楽器となっています。強弱のついた音が自然と減衰し、余韻を切ることもでき、エフェクトの必要性も薄いほうなのでミックス作業量も多くなく、作編曲の基礎トレーニングに最適な音といえます。今回はピアノの種類や活用法について解説していきます。
ピアノと言われて大半の方がイメージする音はグランドピアノでしょう。マルチ音源、総合音源と呼ばれるものだけでなく、DAWのライト版や体験版にもまず入っている音色です。ソロ演奏やクラシックでその気品の高さ、上品さ、表現の幅の広さを見せつけるだけでなく、ロック、ジャズ、エレクトロニカと他のジャンルでも飛び道具的によく使われ、その存在感を発揮しています。
ソロ演奏においてはコンサートホールのコンボリュージョンリバーブがよく似合う音色ですが、マルチ音源などに搭載されているグランドピアノは、アルゴリズムリバーブを薄くかけるとどんなジャンルにも馴染む使いやすい音に仕上がっています。
ソロ用に調整されたピアノ音源は細かいノイズや共鳴まで再現してたりして、それがないマルチ音源のピアノは単体で聴き比べると表現力が劣る印象になりますが、他の楽器の音と合わせることを考えるとこの平板さが有利に働くこともあります。
再現性の高い繊細な音になるほど、他の音と合わせる時の扱いが難しくなるので、音源の価格やグレードだけに囚われず、役割分担を考えておきましょう。
ピアノと同じ発音機構で、電気信号に変換しアンプで増幅した音を出すのがこの楽器です。単体で注目されることは少ないですが、角が丸く優しくかわいげな印象を与え、名前が出てこないけど好きという聴き手も多くいます。
電子ピアノは実際のピアノ機構を持たず、利便性と弾き心地が優先される楽器ですが、このエレクトリックピアノの音色もまず収録されています。シンセサイザーの音色としてもよく入っていて、ハンマリングや余韻の音がより機械的で、ざらついていたりのっぺりとしてたりします。
単体でも埋もれないキャラクターをしていますが、Syncを使ったディレイやコーラス、フェイザーといったエフェクトとも相性が良いので、音の作り込みのステップアップにも適しています。
DTMでピアノの種類を語るなら、これも外せない音色です。厳密にこういった種類のピアノが存在するわけではなく、チューニングのズレたアップライトピアノの音がこう呼ばれます。そのため綺麗なハーモニーを構成するのには向きませんが、短く切ったフレーズをテンポ良く聴かせると、他のピアノには出せない独特の味を作り出せます。
この音色にルーム系のコンボリュージョンリバーブを使うと、すぐに安酒場の雰囲気が出てきます。普通のグランドピアノやアップライトピアノしかない場合でも、コーラスをかけたりピッチを上下わずかにずらしたものを2つ重ねたりすると、近しい音を作ることができます。
ピアノ音源が単体で売られるのはかなり高い音源に限った話で、大抵は複数の種類や近い機構をもった鍵盤楽器の音色も収録されています。代表的なものに、アップライトピアノやチェンバロ(DTMでは英語のハープシコード表記が多い)が挙げられます。
一般的に、アップライトピアノはグランドピアノと機構が違いますが、目指す音の方向性には大差がなく、小型ゆえに省スペースで費用も少し安く済むメリットがある代わりに、表現力や音の広がりにおいてデメリットがあるものとされています。なので、DTMの音源としてもややこじんまりとした印象の音色で収録されていることがあります。
小さいスタジオなどの小規模の演奏を再現した曲を作る場合には、アップライトピアノとルーム系リバーブを組み合わせるのが高級になりすぎず、自然になりやすいでしょう。
チェンバロはピアノの先輩ともいえるもので、元の楽器の機構再現にこだわるなら音の強弱調整はできませんが、ツンとした鋭い音を出す楽器です。
ピアノが普及するとともに流行から外れて数を減らしていった楽器ですが、他のアコースティック楽器やシンセサイザーでも再現しにくい実に特徴的な音を出すので、クラシカルでバロックな雰囲気の曲を作りたい方は扱い方を習得しておきたい音色です。
音域の広いピアノはメロディー、コード、アボイドノートやテンションの構成など音楽理論を絡めての作編曲にも挑戦、分析しやすいので、ぜひ習作にも使ってみてください。
今日は以上です。
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚