DTM初心者用PCの選び方【音源の傾向や状況把握について】

2017.5.12

DTM用パソコン 選び方

DTMを始めたいけどPCは何を選べばいいの??

音楽はやりたいけどPCについては詳しくない、何を選べばいいのかわからないし、いきなり高いのを買うのも気が進まない、DTMをやっている最中にどう状況を確認したらいいのかわからない。こういう方は実際多いのではないでしょうか。

 

特に歌や楽器の経験から音楽の世界に入った方は、DTM特有のPCの扱いに面食らってしまい、歯がゆい思いをしがちです。そこで、具体的にPCの選び方、音源の要求の傾向、使用時の状況把握の仕方について要点となる情報を整理してみました。

CPU、メモリ、ストレージの機能はどう選べばいいか

PCを買う際に大きな指標となるのがこの3つのパーツですが、それぞれの機能性についてしっかり把握しておきましょう。

【CPU】頭脳の役割、その機能の現状

CPUは頭脳に当たる部分で、大雑把にたとえるとコアが頭脳の数、スレッドが受けもつ作業の分担量、クロック数が速度を指しています。

DTM CPU

基本的にコアが多いほうが高くて高性能であり、DTMで製作ソフトとなるDAWを使う際にも、複数の音源やエフェクトを並列処理するのに役立ちます。

 

 

スレッドとは

プログラム処理におけるCPU利用単位のことで、論理的、ソフトウェア的な処理数を指しています(コアは物理的、ハードウェア的な数)。

 

一般的なCPUは1コアあたり1スレッドですが、CPUの余った計算能力を無駄なく使うハイパースレッディングやサイマルテイニアマルチスレッディングという技術があり、1コアあたり2スレッドの処理をさせることができるようになっているものがあります。

 

実コア数が同じでもこの技術とスレッド数により、core i7やcore i5などグレード分けされていたりします。

DTMのプログラムは

厳密なデータ並行処理、同期処理が求められるものが大半なので、処理を詰めて速度を向上させるこの技術とはやや相性が悪く、恩恵は他のプログラムに比べると少なくなります。

 

正常に動作すれば効果はあるのですが、OSやDAWの処理方法変更によってこの機能をオフにしたほうがドロップアウト(音飛びのような現象)などが発生せず安定するケースもあるので、コア数より優先順位は下になります。

クロック数は

処理を実行する速度で、近年のCPUには処理の多さに応じてクロック数を変化させる省電力機能やブースト機能が備わっています。

 

クロック数の限界は技術的にこれ以上伸ばすのが難しく、伸ばしたところで一般的に扱えるものでもないので、DAW、音源、エフェクトが提示している必須環境を満たしていれば特に問題なく使うことができます。

 

ただし、ターボブーストやオーバークロックこみで1.4GHz(2.0GHz)となっているようなCPUは、DAWを使う時に高パフォーマンス設定にしなければならず、元々それで常用する設計ではない省電力なCPUなので、馬力を求めるDAWの動作は不安定になりがちです。

 

ハードウェアが十分でないと、ソフトウェアを使う時にいくら頑張っても不満点は解決しないので、素の状態で必須環境を十分満たすものを選んでおきましょう。ほとんどのものが2コアかつ2GHz以上の要求なので、選択肢は十分にあります。

 

ただ、DTMでは多くの音源やエフェクトを立ち上げるので、余裕をもって4コア以上を選んでおくと支障がなくて良いと思います。

【メモリ】一時的なデータ保管庫

ストレージへのアクセス速度をそのまま使っていてはスムーズな作業にならないので、作業用のデータを一時的に保存しておくのがメモリです。

 

DAWを使用している間、メモリには主にプログラム、曲のプロジェクトデータ、サンプルのデータなどが格納されますが、その大半を占めるのはサンプルのデータです。

DTM-Memory

なので、基本的にその曲中に使用するトラック数を多くしたり、サンプリングレートやbit深度を高くした容量の大きいサンプルを使うほど消費が多くなります。

 

初心者用や廉価版の音源は容量が抑えられていますし、サンプリングレートを高めたからといって曲の高クオリティ化にそのまま繋がるわけではないので、あまり心配する必要はありません。

 

メモリ自体の速度もありますが、体感で差が出ることはほぼなく、製作規模を考えて容量が間に合うかを検討するのが最善でしょう。

 

DAWの体験版をダウンロードして新規の曲プロジェクトを作成し、トラックをいくらか立ち上げてメモリ消費を確認しておくと、良い指標になると思います。

DTM-DAW

CPUやメモリを搭載するマザーボードというパーツにより、物理的にメモリを挿せる数が決まるので、メモリスロットに空きがあるものを選んでおくと後で増設することもできます。

 

ノートや一体型のものでもメモリの増設は可能なものが割とあるので、長い目で考えておくと後悔しません。

【ストレージ】全てのデータの保管庫

OS、DAW、曲のプロジェクトデータなど、あらゆるものを半永続的に保存しておくのがストレージです。主にSSD、HDDが挙げられ、アクセス速度の速さではSSDが圧倒的です。予算とも相談しなければならないですが、複数の構成にする場合は、その利点と欠点を正確に把握しておく必要があります。

 

たとえば「SSDにOSとDAWを入れて大容量の音源をHDDに入れる」という場合、OSとDAWの立ち上げ自体は早くなるものの、音源で音色をたくさん切り替えて選ぶような「よくやる作業」の時にHDDの速度で扱うことになり、速度差を上手く活用した構成とはあまりいえなくなります。

DTM-Strage

その点を鑑みると、逆の「HDDにOSとDAWを入れて大容量音源をSSDに入れる」構成だと、デメリットは起動時に少し時間がかかるだけで、作業中は音源の反応が速いDTM環境にすることができます。

 

DTMの音源は容量が大きく、あらゆる楽器を揃えた総合系のものは50GB、100GBとごっそりもっていくことがあるので、バックアップを除きストレージ1台に環境を全て任せるなら、余裕をもって480GB以上を確保しておきたいところです。

 

一度サンプルのデータを読み込んでしまえばストレージへのアクセスは少なく、書き加えていく曲のプロジェクトデータもサンプルの読み込みデータに比べると微々たるものです。

 

SSDは無音で軽量、HDDは容量単価が安く、復元可能性も高いというそれぞれのメリットがあります。

DTM-SSD

各々の環境、予算に合わせてなので明確な答えは出せないですが、作業中のPCの動作内容を大まかでも把握していると、自分に合ったものを選びやすくなります。

 

高級な音源の中にはSSDかrpm7200以上の高速なHDDを求めるものもあるので、使いたい音源が先にある人は注意しましょう。

音源の種類と負荷の傾向

音源の種類によっても、PCのパーツに対する負荷が変わります。その傾向を掴んでおくと、DTMのPCを検討する際の判断材料になります。

生楽器系の音源はメモリ重視

管弦楽器などを主軸としたオーケストラ音源、ピアノやドラムといった生楽器のリアルさを追求した音源は、サンプルのデータを多く含んでいます。各メーカーが容量削減に努力していますが、基本的にこの種類の有料音源はメモリが重要で、1つの音源でGB単位の容量を消費する場合があります。

DTM-DRUM

複数立ち上げると予想以上のメモリを消費していることがあるので、大編成のオーケストラやスウィング・ジャズなどリアルな音を重視する曲を作りたい場合は余裕を作っておいた方がいいでしょう。

 

リアルさを追求するにはあまり大袈裟なエフェクトは使えず、付属エフェクトもリバーブ以外重いものはあまり出てこないので、CPUの負荷は比較的少なめです。

 

豪華な音源ほど容量も大きくなり、総合系の音源と同じく数十GBの容量になったりするので、ストレージの空きも確保しておきましょう。

シンセ音源はCPUの能力重視

一方、シンセサイザーなどの電子的な音源はメモリ消費が少なく、CPU負荷が高くなりやすいです。これはサンプルの質の高さや多さを活かすタイプではなく、音の生成や加工、エフェクトを計算処理を重ねて実現して特徴のある音にしているためです。シンセ系統の音源はエフェクトやパラメータも多く、その処理自体がプログラムの多重であったりします。

DTM-TRANCE-DRIVE

使っている音源だけでなく外部のエフェクトを重ねることもよくあるので、電子的な音やエフェクトを使った凝った曲を作りたい方は、CPUの処理能力の高さを重視したほうがいいでしょう。

 

メモリやストレージ容量は生楽器系統よりとられない傾向にあり、インストールに必要な容量が5GBを超えるようなものは稀です。

作業中のPC確認

作業中のPCにかかっている負荷も気になるところで、これをしっかり測るにはOSから見るのが確実です。DAWのほうにもPCへの負荷をモニターする機能はあるのですが、最近のOSは見えないところでもファイル更新やウィルスチェック、ストレージのリフレッシュ作業などを行っており、DAWだけでは調子を捉えきれないケースが増えています。

 

クラウドサービスやSNSなど複数のアプリを起動しながら作業することも珍しくなくなったので、Macの場合はアクティビティモニター、Windowsの場合はタスクマネージャーでCPUやメモリの使用率、ストレージへのアクセス状況を確認できるようにしておきましょう。

Support-Apple
引用:https://support.apple.com/ja-jp/HT201464
Windows-Support

DAW以外で負荷が大きくなっているプロセスを見つけられたら、その名前を調べてみて、切ってもいいものなら切ってしまいましょう。DTM以外の作業の時にも、上がった負荷の原因を特定する手掛かりとなるので、覚えておいて損のない手順です。

仕組みを理解すると、PCでの音楽は難しくない

PCで作業となると歌や楽器より直感的でなくなり、必要な知識も変わってくるためどうしても億劫になりがちですが、一度仕組みを理解してしまえばとても便利な道具になってくれます。

 

DTM、音楽においてもその効果は高いので、PCの機能性とDAWで扱うものの性質を把握しておくと、快適で表現力に富んだ音楽製作ができるようになります。

 

DTMを音楽活動のサブ的なポジションで捉えている方も、少し苦手意識をなくすだけで可能性が大きく拡がるので、ぜひトライしてみてください。

 


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よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚