2017.9.23
ブルースやジャズを起点に一気にその存在の価値が上がったベース。ウッドベースからエレキベースが一般的になり、その中で「ファンク」と呼ばれる音楽が誕生しました。そしてベースの奏法においてベーシストをスターダムの存在にする方法が生まれました。それはスラップ奏法です。今回はこのスラップ奏法において素晴らしい演奏を聴かせてくれるベースストを7人ご紹介します。この方たちを見てしまうと必ずスラップをマスターしたいと思うはずです。
Graham Central Station – Pow
スラップ奏法の開祖とよばれているのが「ラリー・グラハム」さんです。誕生の裏側には当時在籍していたバンドにドラマーが居なかったために、リズムキープもしながらコード間を損なわない弾き方としてスラップが誕生したようです。本人はこの奏法を“Thumping & Plucking(サムピング&プラッキング)”と言っているそうです。パワフルなサムピングによる低音が最大の特徴でパーカッションの音と思ってしまうほどです。スライ&ザ・ファミリー・ストーンやグラハム・セントラル・ステーションでファンクミュージックの成長に大きく貢献し、今なお第一線で活躍しています。
Mark King イシバシ楽器渋谷店 店頭イベント / 2011.08.01(MON)
LEVEL42というバンドで人気を博し、その後ソロとして活躍している「マーク・キング」さん。彼の代名詞といえばなんといっても高速のサムピング。その高速さに「マシンガン・スタイル」という愛称がつくほど16分音符での音の粒がどんどん湧き出してきます。弦の仕様が4弦で090という太さで一般的な仕様よりも細くなっています。そのためにサムピングの負荷が少なく済み、高速でのフレージングを可能にしているのではないかと思われます。日本にも幾度となく来日しており、映像は東京公演合間に行われた楽器店のイベントの様子になっています。
Quincy Jones with louis Johnson ai no corrid
名プロデューサー「クインシー・ジョーンズ」さんの楽曲でベースを担当し、大活躍したのが「ルイス・ジョンソン」さん。邦題「愛のコリーダ」(英語Ai no Corrida)のカバーが大ヒットし、一躍有名となりました。映像のスラップ・ソロはとても派手に弾いていますがきちんと構築されていて素晴らしいパフォーマンスです。また「クインシー・ジョーンズ」さんとのつながりで「キングオブポップ」の「マイケル・ジャクソン」のアルバムなどにも参加しており「ビリー・ジーン」のベースラインを弾いています。ほかにも「Get On The Floor」という楽曲は「ルイス・ジョンソン」さんが作曲を手掛けており、素晴らしいトラックメイカーでもあることが証明されています。
Primus – “Tommy The Cat” – Bonnaroo 2011 (Official Video) | Bonnaroo365
意表のついた動きやその異様なコード進行が耳につくバンド「プライマス」。このバンドでベースとボーカルを担っているのが「レス・クレイプール」さんです。彼のプレイはまさに変態という言葉がぴったりです。(馬鹿にしているわけではありません。)素晴らしい技量があるからこそ成せる業であるからです。フレットレスベースを使ったスラップなどは常人が考える技ではありません。しかしどこかポップで中毒性のある楽曲にそのスラップが効果的に機能しています。というかこのスラップでないとだめなのです。このバンドにはまったら最後、あなたは完全に虜になってしまいますよ。
Stanley Clarke bass solo #1 live
名ピアニストであるチック・コリアらとバンドを組み、その独特の演奏スタイルで人気を博しているのが「スタンリー・クラーク」さんです。ファンクやフュージョンなどでコードストロークとスラップを折り合わせた演奏が見るものを魅了します。トレードマークであるアレンビックのベースでまるでギターのようなフレージングを見せることもあります。一筋縄ではいかないその姿が人気の秘密なのでしょう。
Marcus Miller / Run For Cover
十代からスタジオミュージシャンとして活躍し、20代の初期からあの名トランぺッターである「マイルス・デイヴィス」のバンドメンバーに抜擢されるなど一流のベーシストという名にふさわしい人。それが「マーカス・ミラー」です。ソロになってからも意欲的に曲を制作し、ほぼその奏法はスラップです。32分音符という世界で入れられるゴーストノートによって今までにない表現を確立しました。歌うスラップベースといっても過言ではありません。ポップスにも精通しているため、様々な音楽の要素が彼の楽曲の中には詰め込まれています。
Red Hot Chili Peppers – Stone Cold Bush
パンクロックやラップなどを織り交ぜた独特の音楽性が評価されたレッドホットチリペッパーズのベースとしてデビューしたのが「フリー」です。今までのベーシストは違い、親指を下に向けたスラップ方法を有名にした第一人者です。より速いパッセージで繰り出されるスラップ音。しかしながらジャズなどの知識をもった彼だからできる音がたくさん詰まっています。スラップソロをとることも多く、その姿にあこがれてベースを始めた人も多いと思います。
今日は以上です
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚