ノリに欠けると感じたらベースラインにこだわろう!DTMの低音楽器を解説

2017.10.30

ベース bass

ベース用の楽器自体はそこまで多くない

曲全体を整える低音を出す楽器は多くはなく、ジャンルによってすぐに絞られてきます。バンドサウンドで使われる一般的なベース、エレクトロで細い音も太い音も自在に出せるシンセベース、オーケストラで使われるコントラバスとチューバ、この4つのうちのどれかであることがほとんどです。base-line

細分化していくとコントラバスの名前がつくトロンボーンやクラリネットがあったり、チェロやエレキギターが低音を代わりに担当することもあります。ベース用の低音は性質上倍音が多く濁ってしまいやすいため、綺麗さや特徴を保ったまま音色の多さを確保することが難しく、人間の聴覚も低音の差に対しては鈍いので、異なる音源を導入しても有効な選択肢が増えにくいです。分厚いシンセベースの音なら中域や高域まで多く含ませて特徴づけているものもありますが、上記のような性質から音色の選定より作曲、編曲、ミックスから工夫をしかけるほうが良策でしょう。

単音に有効な不協和音とピッチベンド、グライドによる音程変化

普通のベースやシンセベースを使う時は単音の演奏がほとんどです。基本的にコードの一番下にあたるルート音を鳴らしておけば安定しますが、そこからコード構成音(協和音)にたまに動いてメリハリをつけるだけでなく、経過音などの不協和音を挟むのも良い手です。ベースラインを第二のメロディーのように考えると、そういったライン上の遊びが作れるようになります。それに加え、モノラルのシンセベースならグライドによるスムーズな音程変化を活用したり、普通のベースならチョーキングの再現になるピッチベンドの調整を行ったりすると、曲演出の説得力が増します。

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目立つ部分ではなく直接的に評価されることが少ないので、効果に対して懐疑的になるかもしれませんが、この工夫を挟んでいる曲とそうでない曲は飽きやすさや盛り上がりに差が出てきます。この部分の作業は実際かなり地味ですが、ニクいベースラインを作りたいなら挑戦しましょう。

オーケストラの低音は二和音も綺麗

コントラバスやチューバの場合、単音だけでなく三和音中の根音と五度の音(CMajのド、ミ、ソならドとソ)による二和音(パワーコード)も綺麗に使えます。むしろ他のベースと比べると成分が少ないので、単音だけでは音の厚さが足りないと感じられることが多いと思います。曲の構成や表現にもよりますが、和音を構成しても無理になりにくく逆に重厚なハーモニーの一つとして使えたりするので、普通のベースやシンセベースとは違うものとして扱う必要があります。

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強弱表現や奏法の差による影響力も大きく、機械的に鳴らし続けるより変化を含ませるほうが面白みの出る音なので、メインメロディと同じくらい調整に気を遣う場面もあるでしょう。

他の楽器をベース用に落とし込むパターン

有効に使える種類が限られるとしても、既存の音に物足りなさを感じる場合は他の楽器から自分でベース用の音を作ってしまってもかまいません。ベース用の音を作る際に使えるエフェクトにはベース用アンプシミュレーター、低音だけを強調させるためのEQ、直接的に1オクターブ下を作り出せるオクターバーなどが挙げられます。

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加工するほど元の楽器の自然さはなくなりますが、元より使い道を変えるための工夫なので、それほど問題にはなりません。中域以上のトラックと違って複数をレイヤーで重ねて作り出すといったことは難しいので、1トラックの決め打ち方針で調整を進めるといいでしょう。音色自体が新鮮味のあるものになると、ピッチベンドや奏法による工夫のアイデアも出しやすくなります。

普段大人しくしているからこそ、思い切った演奏が映える

工夫と言っても意図的にやらない限り、ベースラインは繰り返し要素の多いなだらかなものに落ち着くことが多いです。曲全体を下から支える役割なため、安定が求められてしまうからです。そこから脱却するには、曲の展開を他のトラックから眺めてみると糸口が見つけやすいです。メインメロディーが主張を放ち切って休む瞬間、繰り返しの伴奏が一巡して次の展開に移る前、そういった他のトラックの勢いが落ち着くタイミングがベースラインが魅せにいくチャンスです。

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他が治まって聴衆の意識を自然にベースラインに移せる瞬間では、不協和音だらけの強引な並びの音でも案外押し通せてしまったりします。「自分の曲はどこかノリに欠ける」と感じたらベースラインにこだわってみましょう、なんともいえない味を出せるようになります。

 

今日は以上です。

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プロフィール

よっしー

よっしー(田中義一)

1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚