2017.3.7
一般的なバンドにはリーダー(バンマス)と呼ばれる存在がいます。バンドの中の精神的支柱であったり、具体的な技術の指導者だったりと、その立ち位置は様々ですが、バンド内の問題に決定を下すのは、ほとんどリーダーの役割です。
「チームなんだから、何事も皆で決めればいいんじゃないの?」という意見ももちろんあると思います。そういわれると確かに、バンドのリーダーって必要なのでしょうか?今回は、バンドリーダーの必要性、その役割についてご紹介します!
バンドリーダーは必要か、不必要か、結論をズバリ言うと「必要」です。しかも、バンドにはなくてはならないというくらい、リーダーの存在は欠かせません。バンドだって会社のように一つの「組織」です。会社には社長がいて、部長がいて…と様々な指示系統が存在しますよね。そのように大げさなものではありませんが、バンドにだってそれが必要なのです。でないと意見が分裂してしまったときにいつまでたっても答えが出ず、行動が起こせなくなります。なので最終的な決定を下す人間がいなくてはなりません。
ではバンドのリーダーに必要な資質って何なのでしょうか?もちろん、欲を上げればきりがありません。例えば音楽的な知識が豊富なことです。演奏に関して様々なアドバイスができれば、その面でメンバーの信頼が集まりますよね。また、カリスマ性もあればなお良いです。佇まい、振る舞いだけで人を魅了してしまうような人には、ついていきたくなりますからね。
でも、本当に最低限必要なのは、「リーダーシップ」と「責任感」だけなのです。リーダーはバンド内において、様々な事柄に決定権を持っています。なので自分が正しいと思った方向にメンバーを導き、責任をもって判断が下せる力が必要になるのです。また、その際に独りよがりになってはいけません。決定を下すのはリーダーですが、周りの意見をしっかり聞くのが基本です。また、誰かの意見を否定する場合は、しっかり理論立ててダメな理由を説明するようにしましょう。
では、具体的にリーダーの仕事って、どのようなものがあるのでしょうか?
バンドには様々なライブハウス、イベンターなどから出演依頼がきます。それらすべてに出演することは難しいので、ライブの取捨選択をすることになるのです。それを決めるのはリーダーの役割になります。例えばノルマの多さ対バンなど様々な条件を比較して出演ライブを決めるのです。
練習中、演奏に関してアドバイスをしたり時には注意をします。それをするためには演奏能力、また音楽的知識が豊富でなければいけません。そうでない相手に注意をされても説得力がなく、相手が腹を立ててしまう可能性がありますからね。
ライブハウスのスタッフ、対バンの相手に率先して挨拶をするのもリーダーの役目です。挨拶はとても重要でバンドのイメージに関わる大切なものになります。
ライブの前にはライブハウスに様々な書類を提出しなくてはなりません。PA、照明スタッフ用のセットリスト表、受付スタッフ用の予約リストなど、結構書くのが大変です。
バンドの練習にはスタジオを使うのが基本です。なので電話でスタジオの予約を取ることも必要になります。
ブッキングをしてくれるライブハウスやイベンターなどとのやり取りをする仕事もあります。メールや電話でやり取りをするのですが、時間を割かなくてなならないので面倒に思う人が多いでしょう。
上記のようにリーダーには様々な仕事があります。でもバンド内でリーダーがこれらすべてをこなしている場合は少ないです。それではリーダーの負担が大きくなりすぎますからね。たとえばスタジオ予約、ライブハウスでの書類提出は他のメンバーがやる、などバンド内では分業体制が必要になります。
また、ただでさえ負担が大きいボーカルはリーダーを避けた方がいいでしょう。一人に負担がかかってしまうとそこから亀裂が生じ、バンドが崩壊してしまう可能性もあります。必ず負荷は分散させるようにしましょう。
演奏中のリーダーはこいつだけど、ライブの決定はこいつがやる、というように場面ごとでリーダーを変えるのもありですよ。
リーダーは当然のことながら仕事量や責任、悩みの多い役割になります。あらかじめそれを理解した上でリーダーをやりましょう。
⇒どうしてもイライラしてしまう、喧嘩ばかりで悩んでいるという方はこちらも参考にしてみてください
上記のリーダーの仕事だけでもとても大変ですが、それ以外にも突発的な作業が出てきます。もちろんメンバーと話し合って他のメンバーにやってもらうことも大事ですが、誰もやり手がいない場合はリーダーが責任を持ってやりましょう。
「俺がこんなに働いてるのに何で他のメンバーは何もしないんだ・・・。」「バイトが忙しい!?俺だってバイトだわ!!」なんて思うことがあると思いますが、そんな時でも後始末をするのがリーダーだと割り切りましょう。でないと毎回ケンカばかりのバンドになってしまうでしょう。
周りは基本何もしてくれないのは当然だと思っておきましょう。人それぞれバンドに対する考え方や熱量が違うのは当然です。「俺はこんなに働いてるのにあいつは何もしない」「ちっともバンドのことを考えてくれない」と思うことも多いと思いますが、それも理解した上でリーダーを引き受けましょう。
まあ全員が全員リーダーのように意見して引くことをしない人たちばっかりだったら逆にまとまりのない、喧嘩ばかりのバンドになってしまうと思いますけどね。何もしてくれない人が居るくらいがちょうどよかったりもします。
さすがに全員がこんなに非協力的なバンドも少ないと思いますが、そうなっても大丈夫なようにあらかじめ心の準備はしておきましょう。
「LINEくらい30秒で返せるだろ!」って思うかもしれませんが、スケジュール決めやその他大切な連絡が返ってこなかったりします。もう穏やかな心を持つしかありません。
私の経験上、こんな時はキレたような口調の催促をしてもいいことはありません。穏やかな口調で催促しましょう。もしくは初めの連絡の時あらかじめ「急ぎの要件なので○日○時までに返事くれると助かります。」くらいにコメントを添えて連絡をしておきましょう。
バンドのリーダーに求められる「資質や役割」といって思い浮かぶ一般的なイメージとしては、「メンバーを束ねる統率力」や「カリスマ性とリーダーシップ」などと想像する人も多いかと思います。
ではどうすれば統率力やカリスマ性、リーダーシップというのは発揮できるのでしょうか。先人が経験してきた数々の事例を元に具体的に紹介したいと思います。
大前提となるリーダーの役割は、「ビジョンを掲げる」ことです。想像してみてください。誘われて加入したバンドが、何処を目指しているのか全く分からないのであれば、メンバーとして不安になり、「とりあえずライヴ」という名目のもと、ライヴ出演とそのノルマだけが積み重なっていき、メンバーとしての存在意義が分からなくなり脱退するというケースは意外に多いものです。
リーダーから「こういうバンドを目指している」と伝えられていれば、そのゴールに向かって必要なスキルを習得したり、それなりのセンスを養ったりするかと思いますが、実際、プロとして大成したバンドの多くは、ゴールのビジョンを明確に掲げてから活動をスタートさせています。
また、この「ゴール/ビジョン共有」は、ファン獲得に対しても同じことが言えます。演奏が下手だったり、まだ小さなライブハウスで3人程度の動員しかないバンドでも、「自分たちは○○を目指している」といった目標を隠すことなく公に掲げていることで、それに共感したり応援したいと思ったリスナーが支援者、つまりファンへと変わるという話は珍しくありません。
リーダーには、バンド全体のレベルアップさせる役割が求められます。バンドのレベルを上げるといっても、決してコーチや監督の様にスパルタ指導をするという訳ではありません。そんな事をすれば全メンバーがバンドから去っていくでしょう。
では、リーダーとして「全体のレベルアップ」に貢献できるアクションはなんでしょうか。実はとてもシンプルで、「自分たちは凄い」という根拠のない自信を、普段から作っていくことです。
これは決して根性論などではなく、リーダー自身が高いゴールを掲げ、根拠のない自信を持つことで、メンバーも「そうか、俺たちは凄いんだ」と、根拠のない自信に満ち溢れていくものです。
実際、バンド内にこうした高揚感が生まれることで、歌唱力や演奏力、曲作りやプロモーションなど、バンド活動のあらゆる場面で「それに相応しい行動」を取るようになります。
仕事でも、昇進してから途端に仕事が出来るようになる人が多いのも同じ理由で、はじめに「理想の自分イメージ」があって、現実は勝手に追いつこうとするように人間の脳は出来ているのです。
リーダーとして最も重要な役割であり、リーダーにしか出来ないことといえば「決断すること」です。バンド内で「AかBか」で意見が分かれたとき、最終決定権者はリーダーです。バンドに限らず、組織やチームというものは、この「決定機能」のためにリーダーを置いているとも言えます。
フライヤーのデザインを決める際、「A案かB案か」といった楽しいものであればよいですが、「あるメンバーをクビにするかどうか」「メンバーが作ってきた曲をボツにするか採用するか」といった、バンド内の人間関係を悪化させるリスクを孕む決断を迫られることもあります。
こうした難しい決断を迫らたとき、リーダーの資質が明らかになったりするもので、いつまでも問題を先送りにしたり、現状維持に逃げたりする姿勢が伝わると、瞬く間に「優柔不断」の烙印を押されてリーダーとしの求心力を失います。要するに「単なる良い人」では務まらないということです。
今回はバンドのリーダーの必要性、仕事や悩みについてご紹介しました。リーダーがいるにしても、バンドはチームです。リーダーはしっかりその他の意見を聞き、思いやることが必要になります。もちろんその他のメンバーも、リーダーの負担を軽減させるよう努力をしましょう。バンド内で円滑な人間関係を作ることで、バンド自体の活動もスムーズになりますよ!
また、「バンドのゴールをはっきりさせておくこと」は最も重要です。
ゴールが明確であれば、メンバー自身も「その中でどうありたいか」「何をしたら良いか」がはっきり見えてきます。
そして、リーダーが掲げた大きなゴールを共有出来ていれば、自然とメンバーもそれに見合った自信や高揚感を身につけ、レベルも当然上がります。3の決断にしても、ゴールが明確になっていれば「どう決断するか」が簡単に見えるはずです。
世間一般のバンド成功論などでは、「現実的な方法」「実践的なハウツー」が注目されがちですが、それ以前の「理想のゴールイメージ」を明確にすることがいかに大切か、よくお分かりいただけたかと思います。
今日は以上です。
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚