2017.11.18
私は、宅録をする際に、より良い音を作るためにどうしたら良いかの情報を日々ネットで漁っていました。宅録は個人プレーなので、他の人がどんな機材を使っているのか、直接知る機会が少ないからです。そんな中、いつものようにネットを見ていると、とあるレコーディング機器メーカーの名前がヒットしました。その名は「Amateras」。今日は、このAmaterasがどれだけ素晴らしいかを紹介していきたいと思います。
Amaterasは、東京都足立区にある老舗のレコーディングスタジオ&インディーズレーベル「カフェオレーベル」で手がけているハンドメイドレコーディング機器ブランドです。そのカフェオレーベルは、1997年にオーナーである「THE SUGAR FIELDS」の原朋信さんがメジャーデビューの契約金を元手に設立しました。
設立以降、カフェオレーベルは、くるりやスネオヘアーを筆頭に、マーガレットズロース、the sworn group、古川本舗、ケミカルボリュームなどのアルバムを次々と生み出してきました。そんなカフェオレーベルですが、更なる音質向上のためにハイエンドブランドのアナログ機材の研究を始めます。ハイエンド機器と安い機器は、構造上どんな違いがあるのかを解き明かし、ついには自分達が使いたいと思う機器を自作するようになりました。
その自作機器達は、カフェオレーベルを訪れたミュージシャンに評判となり、機器の制作を次々と依頼される事態になっていきます。そのハンドメイド機器達についたブランドこそが、Amaterasでした。Amaterasは、現在でも受注生産を続けています。市場に出さないことでギリギリの価格を実現しつつ、ハンドメイドによる厳選された素材と丁寧な作りのおかげで生まれた高音質な機器が、ユーザーから圧倒的な支持を集めています。
「いくらDAWでコンプやイコライザーを施しても、辿りつけない音域がある。」カフェオレーベルでは、良質な音を録音するためには良質なアナログ機器が必要だと考えています。公式ホームページでは、オーディオインターフェースの優劣もさほど音に関係ないと語っています。
オーディオインターフェースは、アナログ信号をデジタル信号に変換するだけ。大事なのは、どれだけ元の音が良いかです。Amaterasは、楽器とオーディオインターフェースの間にただ挟むだけで、魔法のように音を良くしてくれます。理由は簡単、Amaterasには「良質なオーディオ用のトランス」を使用しているからです。プロが使うハイエンドなコンソール、マイクプリアンプ、イコライザー、コンプレッサーには、必ず良質なオーディオ用のトランスが内蔵されています。良質なトランスは、音をクリアでシルキーにしてくれます。
また、ミキシングをする際に、非常に馴染んで混ぜやすくなるのも特徴です。残念ながら、低価格帯の機器にはトランスは内蔵されていません。なぜなら、トランスは非常に高価なパーツだからです。Amaterasは、世界中のトランスを集めて実験を重ねた上で製品化しました。そのため、市販の同価格帯の製品とは比較にならない程の高音質を手に入れました。カフェオレーベルでのレコーディングでは、録音の際にこのAmaterasがふんだんに使われています。カフェオレーベルの音質が良いのは当然の結果ですね。
Amaterasでは、同一商品の中でもトランスを3種類用意してくれています。ユーザーの音楽ジャンルや好みであったり、使用目的が異なることへのカフェオレーベルからの配慮です。ここでは、実際に使用されるトランスの特徴をまとめてみました。
まず最初は、LUNDAHL (ルンダール)。ルンダールは、スウェーデン発のメーカーです。音域のバランスが非常に良く、現代的なハイファイな音が特徴です。しかし、耳に痛い音ではなく、音がリッチになるという表現が相応しいでしょう。ハイエンドレコーディング機器メーカーとして有名な「Focusrite社」の中で、ルパート・ニーヴ氏設計の機器に採用されている最高級のトランスです。
次に、Carnhill(カーンヒル)。カーンヒルは、イギリス発のメーカーです。現行のNeve製品に使用されているので、最もNeveの音に近いトランスとも言えます。シルキーでありながら、低域がくっきりするのが特徴です。既存の音を、どっしりとした存在感のある音へと変化させてくれるでしょう。
最後は、オックスフォードエレクトリカルプロダクツ(通称OEP)。オックスフォードエレクトリカルプロダクツは、イギリスの大手電子パーツメーカーです。音は同じイギリスのカーンヒルに非常に似ていて、粘りがありつつもしっとりとした音です。ギターやベースとの相性は一番良さそうですね。
ここまでの紹介でAmaterasに興味を持ったアナタ。手始めに相応しい機器がありますよ。それは、通称「ニーヴくん」と呼ばれるライントランスのみを搭載した機器です。低価格のマイクプリアンプの後ろにニーヴくんを通すだけで、驚く程高級な音へと変化します。手っ取り早く安く音を良くしたいなら、マイクプリアンプやオーディオインターフェースのアップグレードではなく、ニーヴくんを購入してください。トランスを使うか使わないかで、録音の音質は大きく変わります。
名前:ユザワヤスヒロ
元ベーシストなWebライター。
ライターの他に、雑貨のネットショップの経営と、自身の小さなプライベートスタジオでレコーディングやミックスを担当しています。
http://www.sakura-works.jp/
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よっしー(田中義一)
1985年千葉生まれ。バーストのブログを書いている人。デザインも少々。これまで1,000を超えるバンドにデザインを提供してきました。基本サッカー見ながらパソコンいじってる。外出時はパソコンいじれなくてソワソワして落ち着かない。
性格⇒ポジティブだけど打たれ弱い。超リアリスト。
好きなもの⇒ハンバーガー、サッカー観戦、熱帯魚