
Nameless Oneは2012年に京都で結成されたツイン・リード・ギターが印象的な4人組メロディックデスメタルバンドです。メロディアスなサウンドがとにかくカッコいい大注目のバンドです。2014年1月発売の1stシングル「反撃のカタフラクト」、同年10月発売の6曲入りミニアルバム「千の記憶と名も無き剣~Thousand Memories and Nameless Sword~」に続いてバーストにCDジャケットデザインをご依頼いただきました。
前回作成した「千の記憶と名も無き剣」は西洋風のファンタジックなイメージがコンセプトでしたが今回の「黎明を告ぐ者 」はシルクロード近辺をイメージする欧州とアジアの融合です。その中で新しい時代の導き手、新時代の夜明けをイメージして楽曲作りをしたようです。
欧州とアジアが融合されたような土地で壮大でファンタジックな世界に霊獣と呼ばれる動物の神を描いて欲しいという要望でした。どこかもののけ姫を連想させるような世界感です。霊獣はオオカミ系の動物で神々しい様子で描いて欲しいとのことでした。新しい時代において派遣を握る人間(国)を見定める神として霊獣を描いて欲しいという具体的な要望もいただきました。また表紙とケース裏のバックインレイは開くと一枚の絵になっているように作成して欲しいとのことでした。
裏面歌詞ページはどこか幾何学模様が入った壁画調の世界地図を描いて欲しいという要望でした。明るい雰囲気ではなく古びたカラーにして欲しいとのことでした。盤面はバンドロゴの背景に石版、その上に紋章が光っているように要望をいただきました。
表紙のデザインは誰が見ても広大で幻想的な印象を与えられるよう意識して作成しました。霊獣を中心にやや小さめに入れ光が差すようにして神々しさを出しながらも背景の面積を多めにすることで自然の広大さをアピールしました。霊獣が大きすぎると広大な自然感はなかなか表現できなかったのかなと思います。
またアングルを動物目線にして右端の大木や左端のオブジェを見上げるような視線にすることでより迫力を出しました。左のオブジェは葉っぱを絡ませることで年季が入りより雰囲気が出せました。手前下に雑草を加えたことも動物目線に近づけるためにこだわりです。
壮大な背景は一から描くことも可能でしたがよりリアルなデザインを求めて写真をつなぎ合わせるコラージュという手法にイラストを掛け合わせる方法で作成しました。一見1枚の絵になっていますが空や大地、建造物に至るまで全て別の写真をつなぎ合わせイラストを加えて整えています。
建造物や小さくみえる大仏、木についてもイラストや写真をつなぎ合わせています。それぞれをつなぎ合わせた感じが伝わらないように違和感なくするために何度も配置替えや作り直しを行い最適な位置を探りました。
最後に空を舞う鳥や神秘的な光を宙に描くことで全体をよりファンタジックに仕上げました。
歌詞ページは壁画調の世界地図ということで細かくイラストを描きました。架空の2代大陸を左右に描き下には南極のような氷の世界を描いています。中心には太陽が世界を照らしているという太陽信仰の民族が描いた壁画をイメージして作成しました。各大陸にはお城や自然を細かく描いていますが壁画ということもあり少しもったいないですがボロボロの加工にして質感をプラスしています。
盤面にはNameless OneのCD作成時には恒例となっている石版と紋章の組み合わせで作成しています。背景の石版には石テクスチャを使用し紋章を一から描きました。紋章は円とその他図形を何度も組換えながら一番雰囲気が出るように組み合わせることで作成しています。また円に沿って梵字と呼ばれる文字を組み合わせるとそれらしく仕上がります。紋章を青白く光らせることで神の力が宿っている雰囲気を出しています。
その上に以前バーストで作成したバンドロゴを配置して完成です。
今回のCDジャケットにはコラージュやイラストなどいくつもの手法を用いて作成していきました。実際どのような手法で進めていくのかは要望を聞いてからの判断になりますが、イラストだけ、コラージュだけを得意とするわけではないのでバーストでは幅広くお客様の要望に応えていくことができます。
イラストをメインにCDジャケットを作っていくのも独特の雰囲気が出るのでおすすめですがよりリアルな雰囲気を求めるならコラージュでの作成がおすすめです。あなたもCDを作る際やどこかに依頼するときは選択肢として考えてみえてください。
今回のように大地と空の間に仏像や建造物を合成することで独自の世界を作ることもできますし空に浮く大地を作ることでよりファンタジックな感じにもできます。また、海の中に建物を合成することで海底都市を作ったりアイディア次第で無限の世界観を作ることもできるのです。
ぜひあなたのCDにも取り入れて自分独自のCDを作ってください。バーストでもほかにコラージュで作成したCDがありますのでぜひチェックしてください。